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更新日:2015年9月29日

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ワーク・ライフ・バランスは誰のため? (めぐろ区報 平成25年1月25日号に掲載した記事です)

平成25年1月

「ワーク・ライフ・バランス」は、仕事と子育ての両立という意味で使われることが多い言葉ですが、本来は「仕事」と、子育てや親の介護、地域活動などの「仕事以外の生活」が調和し、この両方が充実している状態をいいます。

働く側にとっては、子育てや介護が必要な家族がいても、働く時間数や時間帯の調整が可能な就業規則やサポート制度が整っていて、離職せずに働き続けられる、あるいは就職できる環境が望ましいといえます。

しかし現実は、やむを得ず離職するかたが増えています。例えば、介護や労働者自身の闘病などは、長期化する場合があり、期間を予測しにくい面も多いことから、仕事との両立が難しいためです。こうして経済基盤を失うと、介護や闘病そのものにも影響が出るため、仕事との両立は大切です。

また、「仕事以外の生活」であるボランティア活動や町会活動、資格取得のための勉強などを行うことは、視野の拡大や能力向上などの自己啓発につながります。

一方で、雇用する側にとっても、従業員が離職せずに働き続けられる環境を整備すれば、さまざまな利点があります。例えば、新規雇用や研修にかかるコストを抑えることができるほか、従業員の意欲が高まることにより、生産性の向上につながります。さらに、こうした仕事と仕事以外の生活が両立できる会社は、特に若い世代にとって魅力的であるため、優秀な人材が集まりやすくなります。

また、家族の介護や闘病は、従業員だけの問題ではありません。会社幹部が介護問題で離職するケースもあることから、仕事と仕事以外の生活が両立できる環境づくりは、会社の危機管理上でも必要な条件整備といえます。

少子化により労働人口が減少していることに加え、子育てや介護などの役割を分担しながら働く共働き家庭が増えています。このため、会社にとっては、女性や高齢者を含め、多様なニーズを持つ幅広い人材を活用することが必要です。その手段として最適なのがワーク・ライフ・バランスです。

ワーク・ライフ・バランスは、労働者のためでもあり、会社のためでもあり、社会全体のためでもあるのです。

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