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更新日:2026年10月27日

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防災には「食べる訓練」を。在宅避難で日常を取り戻す「ポリ袋レシピ」を知っていますか?

災害の発生後、水道やガスが止まった中での食事づくりについて考えたことはありますか?

目黒区大橋にあるクックパッド株式会社は、令和8(2026)年11月1日に区立第一中学校で実施する総合防災訓練「めぐろ防災フェスタ」で、災害時に役立つ「在宅避難レシピ」の料理教室を開催します。

災害時を想定してつくるのは、「蒸しパン」。ホットケーキミックス、カセットコンロ、ポリ袋を活用します。あえて「おやつ」をつくるのは、在宅避難中も、なるべく普段と変わらずストレスなく過ごせるように、というねらいです。

この記事では、災害時の食事づくりを通して、在宅避難の備えについて考えます。

令和8年防災フェスタのイベントバナー

住み慣れた家で過ごす

目黒区は、気象庁が発表する防災気象情報を目安に避難指示を発令しますが、大雨の際には短時間で川の水位が上昇するため、自宅の2階以上など高い場所への「垂直避難」を呼びかけることが少なくありません。また、耐震性が高い建物が多いことも特徴です。斎藤洋介・防災課長はこう説明します。

「大きな災害が発生しても、すべての人が地域避難所に行ったほうが安全というわけではありません。建物の倒壊、火災、浸水の危険がなく、自宅で身の安全を確保できる場合には、自宅で避難生活を送る在宅避難のほうがプライバシーを保て、落ち着いて過ごすことができるからです」

そこで大事になってくるのが、在宅避難のための備えです。

「家具の転倒防止のほか、モバイルバッテリー、携帯トイレ、食料の備蓄など、日ごろから意識して準備しておくことが必要です」

ポリ袋は必需品

在宅避難は長期化する可能性があります。電気が数日で復旧したとしても、水道やガスが止まったまま数週間にわたって暮らすことになるかもしれません。

2022(令和4)年5月に東京都防災会議が公表した被害想定によると、都心南部直下地震(マグニチュード7.3)が起きた場合、目黒区内でのライフラインの被害は、停電15.7パーセント、断水25.2パーセント、ガス供給停止47.3パーセントなどとされています。復旧までは、電気約4日、水道約30日、ガス約6週間と見込まれています。

「防災食というと乾パンやアルファ化米を想像する人が多いですが、在宅避難生活が長期にわたると、栄養やストレスの面で心配です。防災訓練で身を守る訓練はしていても、在宅避難を想定した"食べる訓練"をしたことがない人が多いのではないでしょうか」

そう話すのは、クックパッド株式会社の初代編集長、小竹貴子さんです。

小竹さんによると、在宅避難中の食事づくりの必需品は「ポリ袋」(高密度ポリエチレン製)。食材を入れて湯せんにかけることで、水やガスの使用量を抑えることができるためです。

例えば、米1合と水1合強をポリ袋に入れ、空気を抜いてきつく縛り、吸水させた後に30分ほど湯せんをすると、ご飯を炊くことができます。

「ポリ袋は調理器具の代替となるうえ、袋のまま食べたり皿の上に敷いたりすることで洗い物を減らせます。手袋としても使えるので衛生的です」(小竹さん)

食べるもので癒やしを

クックパッドは2019(令和元)年、東日本大震災や熊本地震で在宅避難を経験したユーザー1191人にアンケートを実施しました。

調査結果によると、在宅避難で課題に感じたことは、「食と水の確保」が39.8パーセントで最も多く、次いで「トイレ」15.8パーセント、「情報収集」11.3パーセントでした。

在宅避難時の食事づくりについては、役立った食材は、「缶詰」「ペットボトルの飲料水」「即席麺」「レトルト食品」などが上位。調理器具としては「カセットコンロが役に立った」と約6割が回答しました。

アンケートでは「子どもに我慢をさせたくなかった」「ストレスが大きい状況だからこそ甘いものがほしかった」といった声もあったといいます。

「災害時は心と体に大きなストレスがかかっているので、せめて食べるものは、日常に近いものや、癒やしを感じられるものであってほしいですよね」(小竹さん)

ポリ袋レシピで蒸しパンを作る様子の写真

 

災害はいつ起こるかわからないもの。この夏の台風の多さからも、特別なことではなくなってきています。「在宅避難を日常の延長として、一定の不便を受け入れながら暮らすスキルが必要です」と小竹さんは話します。

「そのためにできる準備はあります。在宅避難レシピを一度つくって食べてみること。「こんなものか、まあまあいけるな」と知っておくだけで心の準備ができ、備蓄もできます」

小竹さんは、子どもたちにも「食べる訓練」をしてもらおうと、小学校の家庭科の授業で在宅避難レシピを教えています。11月1日のめぐろ防災フェスタでは親子を対象に料理教室を実施します(先着順)。

小竹貴子さん

在宅避難を乗り切るための備え

目黒区では、在宅避難の備えを後押しするため、全世帯(令和8年6月1日時点の住民登録)に2026(令和8)年11月、防災啓発冊子「目黒防災」、防災啓発特集冊子「目黒防災PLUS ONE」と防災カタログギフト「めぐろ在宅ひなんギフト」を配布します。

「めぐろ在宅ひなんギフト」は、掲載している約165点の防災用品の中から、1人3000ポイント(世帯で合算して申し込み)の防災用品を、各家庭の状況に応じて選ぶことができるというものです。在宅避難を乗り切るための防災用品としては、ローリングストックに役立つレトルト食品、備蓄食料や、携帯トイレなどを掲載しています。

「事前の備え、発災時に身の安全を守るため、在宅避難を乗り切るためなど、段階や目的によって必要な防災用品は異なります。カタログギフトを選びながら、「災害が起きたとき、わが家はどの段階の備えが足りていないのか」を確認し、備蓄を見直すきっかけにしてもらえるとうれしいです」と斎藤課長は話します。

防災啓発冊子「目黒防災」と「目黒防災PLUS ONE」、「めぐろ在宅ひなんギフト」は11月に全戸配布します。ギフトの申し込みは2027(令和9)年1月15日までです。

 

目黒防災表紙

めぐろ在宅ひなんギフト

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にしやまあきこ

目黒区で子育て歴20年。大切な人の暮らしを豊かにするために働きたくて、民間公募で令和8年4月に入庁しました。新聞や週刊誌の記者、ウェブメディア編集長の経験から、取材がライフワーク。MEGURO+では、地域の課題を解決するために区の事業に関わってくださるかたたちの熱い想いを伝えます。記事の感想やご意見をお待ちしています。

 

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