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在宅避難とその備え
在宅避難とは?
在宅避難とは、地震などの災害が起きたときに、今いる場所に火災や爆発、建物の倒壊等の危険がなく、自宅で身の安全が確保され、引き続き住める場合に、自宅で避難生活を送ることです。
避難とは「難」を「避ける」ことであり、避難所へ行くことだけが避難ではありません。いったん揺れが収まるなどして、身の安全が確保できたら、避難が必要かどうかの判断をしてください。
在宅避難だからできること
避難所での生活は、慣れない集団生活や環境の変化などによって心身共に負担がかかりやすくなるとともに、多くの避難者が集まると感染症拡大のリスクも高まります。
在宅避難が可能であれば……
- 小さいお子様や高齢の方など、個別のニーズに対応しやすく、ストレスを軽減できる。
- ペットを飼育している場合、災害時にも同じ空間で生活できる。
- プライバシーが守られる
- 家を留守にする心配がなくなる など
災害時でもなるべく普段と変わらずに過ごせるよう、日ごろから自宅での避難生活ができる環境を整えておくことが大切です。
その時、区内のライフラインは……
令和4年5月25日に東京都防災会議が公表した「首都直下地震等による東京の被害想定」によると、大規模な災害では、電力は約4日、水道・トイレは約30日、ガスは約6週間、固定電話は約4日、鉄道は約30日、道路の復旧は約1週間かかるとされております。
被害状況によっては、復旧までに想定以上の日数が必要になる場合も考えられるため、しばらくの間物資の供給が断たれる可能性もあります。
これだけの期間、物資の供給やライフラインが止まるとしたら、生活するうえでどのようなものがどの程度必要だと思いますか?必要なものの内容や量はご家庭によって異なります。この機会に自宅での備えを見直してみましょう。
備蓄がなくなったら避難所に行かないといけない?
目黒区では、避難所への避難が必要な想定避難者の分だけではなく、在宅避難者の分も考慮して、食料・飲料水を備蓄しています。避難所で生活をしていなくても、備蓄物資を避難所で受け取ることができますので、ご安心ください。
また、断水時には東京都が整備した震災対策用応急給水槽や給水所を給水拠点(災害時給水ステーション)とし、応急給水が行われます。区内では都立林試の森公園(下目黒5-37)と八雲給水所(八雲1-1)の2か所が災害時給水ステーションとして指定されています。
防災備蓄の考えかた
日常的に使用するものの備蓄
自宅で生活するために必要となる食料や生活用品などは、日ごろから少し多めに準備しておくことが大切です。各家庭の環境や家族構成などに合わせて、必要なものを最低3日分程度(7日分を目標)を備蓄することを心がけましょう。「今日からスタート!備蓄のすすめ」を参考に、自宅の備蓄状況をチェックしておきましょう。
わざわざ防災用の食料などを準備するのは大変だけど……
保存年限の長い食品や飲用水を購入するだけが在宅避難のための準備ではありません。食料や生活用品、衛生用品など災害時においても生活に必要なものは、日常的に少し多めに備蓄し、普段の生活の中で消費した分だけさらに買い足す、「日常備蓄(ローリングストック)」を意識することで、常に一定量の備蓄を行うことができます。使用期限や賞味期限などを定期的に確認しながら、無理のない範囲で備蓄を進めてみましょう。
画像引用元:「日常備蓄」で災害に備えようパンフレット(東京都総務局総合防災部防災管理課)
災害時にしか使わないものの備蓄
日常的に使用するものは、日常備蓄(ローリングストック)が有効ですが、災害時にしか使用しないものについては意識して準備をしておく必要があります。災害時にしか使用しないものの例として、以下のようなものがあります。
- 携帯トイレ
- 非常照明、懐中電灯
- 蓄電池
- 消火器 など……
災害時にしか使用しないものは、いざ必要となったときに数が不足していたり、電池が切れていたり、壊れていたりする可能性があります。最低、年に一度、防災週間などをきっかけに、使用できる状態になっていることを確認しましょう。
また、目黒区では家具などの転倒防止器具、携帯トイレ、初期消火のための警報機・消火器、保存年限の長い災害備蓄品などをあっせんしております。どんな防災用品を用意すればよいか困ったら、「防災用品のあっせん」や「今日からスタート!備蓄のすすめ」を参考に、準備しておきましょう。
在宅避難のために、どんな準備をすればよい?
食料について
物流やライフラインが止まってしまうと、食事や調理方法は制限されてしまう可能性が高いため、各家庭での食糧の備蓄はとても大切です。パン、缶詰や、レトルト食品など加熱調理や水がなくてもすぐに食べられるもの、フリーズドライ食品や菓子類など備蓄食糧にも様々な種類があります。
長期保存が効くものには炭水化物が多く、たんぱく質、ビタミン、ミネラルや、食物繊維が不足しがちです。米やパン以外にも、栄養素を調整した食品(バータイプ、ゼリータイプ、クッキータイプなど)や、状況に応じてサプリメントなども活用するなど、備蓄する食糧の栄養価にも注目しましょう。
ガスや電気が止まってしまっても、カセットコンロの備えがあれば簡単な調理が可能です。なかでも、カセットコンロとポリ袋を使用した湯せん調理は一度に複数の調理が可能なため、ガスや湯せん用の水を節約できるほか、鍋を汚さずに調理することで洗い物も不要になります。湯せん調理は、災害時の食事の幅を広げることができるため、普段からご家庭で試してみてはいかがでしょうか。
関連するページ
東京都防災ホームページでは、備蓄品をつかった簡単レシピが掲載されています。
東京ガスのホームページでは、ポリ袋を使った湯せん調理による防災レシピが掲載されています。災害時だけでなく、普段の食事にも活用できるレシピです。
令和3年9月1日号のめぐろ区報で、在宅避難を想定したおうちでの防災訓練、「おうち防災キャンプ」について取り上げました。湯せん調理や下記で取り上げる防災トイレ等について紹介しています。
非常用トイレについて
大規模な災害では、断水や排水管の損傷などの影響で、自宅のトイレが使えなくなる可能性があります。また、集合住宅では、排水管の状況を確認せずに水を流すことで、上階の汚水が下階のトイレから溢れ出る可能性も。そのため、各家庭における災害時用のトイレの備えは欠かせません。
組み立て式の簡易トイレや、個包装された携帯トイレのほか、いざというときにはゴミ袋と新聞紙などの紙類や布類を使って非常用トイレを作ることも可能です。自宅のトイレが使えない場合を想定して、どのような非常用トイレを備えておくか家族で話し合っておきましょう。
トイレの使用可否の確認方法
大地震発生時は、断水や排水管の破損により、トイレで使えない可能性が高くなります。
ご自宅のトイレが使用できるかどうかを確認する方法などについて、東京都下水道局ホームページに記載されておりますので、ぜひご覧ください。
常備薬など自分に必要なものの備蓄について
近年は、ドラッグストアやコンビニなどで必要な時に必要な量の薬などが手に入るようになりました。しかし、災害時は物流が一時的に途絶える可能性もあります。常備薬については、いざという時のために備えておくことも必要です。
また、女性がいる家庭では生理用品、乳幼児や高齢者がいる家庭ではおむつなど、ご家庭にあったものを多めにストックしておくと災害時の一時的な物資の不足にも備えることができます。
建物と屋内の安全確保について
在宅避難をするためには、自宅が住み続けられる状態であることが重要です。
大きな地震の後、電力が復旧した際の起こる通電火災を防ぐための感震ブレーカーの設置や、建物の耐震化、家具の転倒防止などを行い、安全な環境づくりを心がけましょう。
災害時の情報収集について
目黒区からの情報発信には以下の方法があります。どの媒体で受け取ることができるか、普段から確認しておきましょう。
1.防災無線放送
2.目黒区ホームページ(災害時はトップページに防災情報が掲載されます。)
3.X、LINE、Yahoo防災速報アプリ
4.目黒区防災地図アプリ
5.防災気象情報メール
6.区域内緊急情報メール配信
ドコモは「エリアメール」、au・ソフトバンクは「緊急速報メール」として、目黒区内で対象の携帯電話をお持ちの方全員に、緊急情報があった場合に配信されます。
8.区立施設への情報掲示
災害対策本部からの情報を、施設の玄関等に掲示します。
災害は、いつ発生するかわからない
だからこそ、いつか発生するかもしれない災害を特別に意識して備えるのではなく、今日、明日起こるかもしれないという気持ちで、日頃から防災を意識した行動をする必要があります。
目黒区内の各種マップや被害想定については、防災行動マニュアルをご覧ください。また、今から行動できる内容は、東京都が配布している防災ブック「東京くらし防災」「東京防災」にも詳しく掲載されていますので、ぜひご活用ください。
お問い合わせ
電話:03-5723-8700
ファクス:03-5723-8725