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新型コロナワクチン接種に貢献する株式会社EBAC(エバック)
ワクチン接種に必要な3つの条件
ワクチン
医療スタッフ
超低温冷凍庫
令和3年4月からワクチンの接種が、高齢者(1957年・昭和32年4月1日以前に生まれた方)を対象に開始されました。それに先立ち2月17日には、国内で第1例目の接種が、目黒区東が丘の国立病院機構東京医療センターで医療従事者への先行接種として行われました。ワクチンの接種には、薬事承認を受けたワクチンと接種を実施する医療スタッフおよび医療機器の3つの条件を満たすことが必要です。ワクチン接種に必要とされる医療機器は数多くありますが、とりわけ、重要とされているものは、ワクチンを保管する超低温冷凍庫(ディープフリーザー)です。現在、国内で唯一特例承認されているワクチンは米ファイザー製のもので、このワクチンは保管には、-75度の超低温環境が必要となります。次に承認が予定されている米モデルナ社のワクチンも-20度の低温環境が必要になります。今後、ワクチン接種を迅速かつ円滑に進めるためには、ワクチン保管用の超低温冷凍庫及び低温冷凍庫が必要不可欠です。これら医療用冷凍庫を製造するには、長年に渡り積み上げた研究と高度な工業技術が必要ですが、この2つを兼ね備え、新型コロナウイルスワクチン接種に貢献している企業が目黒区にあります。
株式会社EBAC(エバック)
ここで、2月の先行接種や5月から始まる高齢者接種の推進に重要な役割を果たしている区内の企業を紹介します。目黒区八雲一丁目6番5号に本社をおきライフサイエンス分野や医療業界、自動車や宇宙航空関連まであらゆるステージにおいて低温環境の構築や温度管理機器の製品の提案や製造をする株式会社EBAC(エバック)です。政府は、ファイザー社やモデルナ社のワクチンの保存用に超低温冷凍庫及び低温冷凍庫、総計19,800台を国内メーカーに発注しました。このうち、株式会社EBACが5,800台を納品し、コロナワクチン用冷凍庫の約30パーセントを区内企業が納品していることになります。日頃から超低温テクノロジーの研究に努め、技術を磨くことにより、この分野においての最先端の技術が盛り込まれた高度な製品(EBAC社UD-80W74NFなど)の製造があって初めて、早期からのワクチン接種の実施が可能になったといえます。
製品の搬送
会社概要
株式会社 EBACの外観
所在地
目黒区八雲一丁目6番5号
代表
代表取締役 佐々木 健
電話番号
電話:03-3724-3681
会社設立
1966年
目黒区長、株式会社EBAC訪問記
本社工場
令和3年4月7日(水曜日)、目黒区長、産業経済部長、産業経済・消費生活課長及び中小企業振興係長の4名が、新型コロナウイルスワクチン保管用ノンフロン超低温槽(-80度保管)を製造する株式会社EBACを訪問し、佐々木健社長にお話をお伺いしましたのでご紹介します。
青木区長:政府発注の自治体割当分の冷凍庫のうち30パーセントを供給するとお聞きしていますが、一段落つきましたか。
佐々木社長:製造は順調に進み、現在は納品後のメインテナンスの計画に取り組んでいます。原則として故障が発生した場合には、新品に取り換えることにより安全と安心を担保しようと考えています。
青木区長:御社は主に医療用冷凍庫を専業とされてきたのでしょうか。
佐々木社長:インフルエンザワクチン用冷凍庫などの発注を多くいただいています。他にシベリアの永久凍土で発見されたマンモス保管用の冷凍庫なども扱わせていただきました。冷凍保管庫以外では自動車の試験走行用のアイスバーンなどの環境の構築、繊細な温度管理を必要とするワインセラーも手掛けています。大量生産品よりも先方の注文に応じて作製するオーダーメイドの温度管理を得意としています。
青木区長:創業当初から、冷凍庫の製造をなさっていたのですか。
佐々木社長:創業者(先代)は当初、米軍からの依頼で冷蔵庫の修理や、買い取りして販売などをしていました。
青木区長:御社の強みはどのようなところにありますか。
佐々木社長:サイズが小さいというところでしょうか。小回りが利くため大企業に比べて意思決定が早いので今回のコロナ禍にも速やかに対応できました。
青木区長:二代目の社長に事業承継後、遺憾なくリーダーシップを発揮され、御社は順調とうかがえますが、今後の課題としては、何かありますか。
佐々木社長:やはり人材ですね。募集をすると人材が当社に集まりますが、必要としているのは、現状に留まらず、新しい分野をさらに開拓していくような、創造的な事業にどん欲に取り組む人材こそが、中小企業に求められる人材と考えています。
青木区長:目黒区に希望することは、何かありますか。
佐々木社長:目黒区は、目黒川の桜や、さんま祭りなど、他に類を見ない素晴らしい景観や、ユニークな取り組みをされています。これを外部に更に発信して多くの人に知っていただきたいと考えます。それにより、当社も文化の薫り高い目黒から来た会社と親しまれ、営業の強化に繋がるものと考えます。
青木区長:了解しました。本日は、多忙な中、ご面会ありがとうございました。日本中、いや世界中で目黒発のEBACブランドが新型コロナ感染拡大防止に貢献していることを考えると、目黒区長として非常に誇らしい気持ちになります。今後も公民ワンチームで、感染拡大防止や産業振興に取り組んでまいりますのでよろしくお願いします。
佐々木社長 青木区長
お問い合わせ
産業経済・消費生活課 中小企業振興係
電話:03-3711-1134
ファクス:03-3711-1132