令和7年度中小企業合同顕彰式（従業員顕彰・技能功労者表彰）が行われました

技能功労者表彰・従業員顕彰

目黒区では、長年にわたり区内中小企業の発展に寄与してこられた従業員の方々と区内産業を支える優秀な技能を有し、他の模範となっておられる技能者の方々に対して毎年度顕彰を行っています。
今年度は、10月2日（木曜日）に顕彰式を行い、21事業所の総勢55名（表彰状32名：同一の対象企業に10年以上勤務、感謝状23名：同一の対象企業に5年以上10年未満勤務）の方が中小企業従業員顕彰を受け、技能功労者として2名の方が受賞されました。
受賞された皆様、まことにおめでとうございます。

 

従業員顕彰者の所属企業・事業所名

ANEOS株式会社、日工精機株式会社、株式会社S.T.ディバイス、株式会社創土社、株式会社鉄信、自動車整備株式会社、日進トレーディング株式会社、日進レンタカー株式会社、日進オートリース株式会社、花岡無線電機株式会社、山下寝具株式会社、裕幸計装株式会社、ゼンケン設計株式会社、加藤電気工事株式会社、鍵の白子、株式会社中央歯科補綴研究所、積水工業株式会社、株式会社インディバ・ジャパン、株式会社下山合金鋳造所、東横商事株式会社、大東通信機株式会社

技能功労者の技能・功労の概要

（塗装工）氏家 伸晃さん 経験年数65年 不動工業

氏家さんは、イラストなどを吹付の専用機械（エアレス）で描き、A4サイズ（0.21m×0.3m）ほどの絵を10m×20mサイズへ約3,300倍に拡大させて、博覧会などの壁にイラストを描く塗装を手掛けています。このエアレス塗装は、高圧で噴射するため、操作には専門的な知識や技術が求められます。 機械の設定ミスなどがあれば仕上がりにムラを生む原因となるため、この点も考慮しながら塗装をほどこしていらっしゃいます。氏家さんが携わった博覧会としては、平成5年7月から約2か月半、長野県で開催された「信州博覧会」（250万人来場）があります。こちらは、旧・通産省（現在の経済産業省）の特定地方博覧会制度として、90年代から2000年にかけて様々な地方で開催された「ジャパンエキスポ」の一事業として開催された博覧会になります。
また、日本大学の平成元年・創立100周年記念事業の「100」の字をホウキサイズの筆で書いた実績もございます。このような「作品」とも呼ぶべきお仕事では、大胆さと繊細さを持ちつつ、用意された下地は一つだけという失敗が許されない状況の中、慎重さも兼ね備えながら施工にあたっています。

大学を卒業後、お父様と看板一般塗装の仕事に携われました。テント会社から仕事を依頼されるようになってからは、日本全国のイベントの看板やテントの塗装が主となり、テント会社から特殊技能の最優秀賞を授与されるほどの実力者です。劇団四季のミュージカルテント（キャッツシアター）の色塗りや、2002年サッカー日韓ワールドカップの横断幕のサッカーボールを描くなど、多くの人の目に留まり印象に残る作品を残していらっしゃいます。

また、同じ塗装職の後輩と現場に入り、積極的に技術的助言や指導も行っています。その後輩の方はその後、親子で現場に入るようになり、住宅の仕事に興味を持たれ、工務店を開業するため建設業許可を取得され、後には塗装職の会社を設立し、塗装業を活気あるものにしています。
現在は、主に地域の住宅塗装を手がけていらっしゃいます。地域住民からの信頼も厚く、住宅で困りごとがあれば長年の経験を活かし対応し、地域の住環境の向上に貢献していらっしゃいます。
 

（大工職）室井 正則さん 経験年数50年 有限会社学芸インテリア

室井さんは、マンションリフォームマネージャーの資格をお持ちです。この資格は、マンション居住者の住まいの部分、いわゆる「専有部分」のリフォームについて、提案や設計、工事の調整、施工管理などを有する専門資格です。個人住宅、マンションリフォーム、店舗など幅広く様々な建築物の改修工事を行っていらっしゃいます。現場では、区内を中心に豊富な経験と優れた技術を存分に発揮され、木工事、設備、内装、外壁と、こちらも幅広く改修工事を行っていらっしゃいます。特に木工事ですが、木材の加工や組み立て、取り付け作業のことを指しています。大工が中心となって行う作業で、住宅の骨組を木材で造る工事です。まず、土台から柱を立ち上げ、梁などを渡して骨組を造る。その後、筋向い、床組み、小屋組み、そして壁、屋根の下地、天井を作り、ドアやサッシをはめ込みます。最後に外部の外壁を取り付け、内部の断熱材を付け下地を造っていくといった工程で、まさに、室井さんの大工職としての経験を存分に発揮できる工事であるといえます。

新築戸建て（27件）、リフォーム・改修工事（1,200件）と数多く施工され、住環境とともに街づくりに大きく貢献されてきていらっしゃいます。リフォーム・改修工事については、昭和56年（1981年）に新耐震基準が設けられましたが、この年をリフォーム元年とした場合、44年間で約1,200件、年平均にしますと約30件弱の実績になります。

また、数多くの実績の中で、見習い職人からベテラン職人まで幅広い層への指導育成においても高い評価を得ていらっしゃいます。
現在は、職人育成に携わりながら、現場での管理監督を行っていて、職人としての姿勢を保ちながら最前線で工事を行っていらっしゃいます。
 

従業員顕彰、技能功労者の受賞候補者推薦のお願い

目黒区では毎年5月から6月に、従業員顕彰と技能功労者表彰の受賞の対象となるかたの推薦を受け付けています。
従業員顕彰は、区内の中小企業に5年以上または10年以上勤務されているかたを顕彰いたします。
技能功労者は、区内で25年以上のキャリアがあり、優秀な技能、技術を有し、他の模範となる技能者、技術者のかたを表彰いたします。
職場やお知り合いに推薦したいかたがいらっしゃる場合は、産業経済・消費生活課中小企業振興係にご相談ください。