ここから本文です。
よく見て予防。アニサキスの食中毒
刺身やしめさばを食べた数時間後に胃に激痛、そしておう吐といった症状がでたら、それはもしかしたらアニサキスが原因の食中毒かもしれません。
アニサキスは鮮魚介類にいることがある寄生虫の名前です。ヒトの体内で成長することはありませんが、魚にいるアニサキスを生きたまま食べてしまうとまれに胃や腸壁に侵入し、激しい腹痛やおう吐、じんましんなどの食中毒症状を引き起こします。アニサキスによる食中毒の発生件数は年々増加しており、目黒区内でも複数発生しています。家庭やお店で魚を捌くとき、又は食べる時に注意をすることでアニサキスによる食中毒は防ぐことができます。
魚から取り出したアニサキス
魚の中ではこんな形はしていないことも
どんな食品が原因で起こるか
アニサキス食中毒は、アニサキスが寄生した鮮魚介類を食べることで発生します。
具体的には、サバやサンマ、カツオの刺身及びこれらを用いた寿司、シメサバを原因とする食中毒が多く報告されています。
他にも、サケ、アジ、スルメイカ、イワシ、タラ、マス、ニシンなどの鮮魚介類が原因となることがあります。
サバおよびアジ
サバの刺身
魚のどこにいるか
アニサキスは魚介類の内臓に多く寄生していますが、鮮度が落ちると内臓から筋肉へと移行するといわれています。
食中毒の多くは、筋肉に移行したアニサキスを食べてしまったことで起きています。
内臓と内臓に近い筋肉でアニサキスがよく見つかります。
サバの内臓にいたアニサキス
三枚おろしにしたアジ
食中毒を起こさないためには?
アニサキスによる食中毒を予防するためには、加熱や冷凍により死滅させる方法と、直接虫を取り除く方法があります。
酢や塩、ワサビはアニサキスに効果がありませんのでご注意ください。
アニサキスは熱に弱く、60度で1分以上の加熱で死滅します。しかし、低温には比較的強く、冷蔵庫に入れておいた程度では生き残っています。冷凍庫に入れ、マイナス20度以下で24時間以上冷凍することでアニサキスは死滅します。
これらの処理をせず刺身などにする場合には、目視確認によりアニサキスを取り除くことが対策となります。調理や食べるときの目視確認のポイントを写真で下段に示していますので参考にしてください。
アニサキスは調理をする人だけでなく、食べる人も注意することで予防することのできる食中毒です。
調理をする際の目視ポイント
筋肉中でアニサキスが発見されやすい場所はどこか、どのような色、形をしているか、下の写真を参考に知っておきましょう。
魚にはアニサキスがいないことももちろんありますが、いる時には複数匹見つかります。内臓に近い腹側の筋肉はよく確認をしましょう。
三枚おろし。丸部分にアニサキスがいます。
拡大図
腹に近いところは要注意です。おや・・・?
ここにもアニサキスがいます。
筋肉中ではとぐろをまいて黒い塊のようになっていることがあります。しかし、必ずこうなっているわけではなく、こぶのように盛り上がっていることもあります。
筋肉から取り除いた黒い塊を伸ばしてみると
よく写真などで見るアニサキスであったことがわかります。
食べる時の注意
調理する人だけではなく、食べる人も注意をすればアニサキスに気が付くことができます。
この刺身にはアニサキスがいますが、見た目では全くわかりません。
裏返してみると・・・
アニサキスがいました。気づきましたか?
話に夢中になっていたり、少し暗かったりしたら、気が付かないかもしれません。
パンフレット
アニサキスによる食中毒を予防しましょう(PDF:1,482KB)
関連リンク
お問い合わせ
生活衛生課 食品衛生指導係
電話:03-5722-9507(目黒地区)03-5722-9509(碑文谷地区)
ファクス:03-5722-9367