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文化財めぐり(目黒川コース)
文化財めぐりは、2時間から3時間かけて目黒区内の文化財を見学して歩きます。平成23年10月22日(土曜日)に実施した文化財めぐりのコースを紹介します。
文化財めぐり(目黒川コース)の行程
集合
9時30分 中目黒駅
見学場所
- 正覚寺(しょうがくじ)
- 川の資料館
- ひいらぎ庚申(こうしん)
- 田道庚申塔群(でんどうこうしんとうぐん)
- 大円寺(だいえんじ)
解散
12時 目黒駅
文化財めぐり(目黒川コース)の概要
このコースは、目黒区東部を南下する目黒川に沿って、中目黒駅より目黒駅まで歩きます。
目黒川は、流れを目にできる区内唯一の川です。いくつもの支流を持ち、それぞれが地域に溶け込んで目黒の景色を形成してきましたが、現在支流は暗渠(あんきょ)となっており川の姿を見ることはできません。
目黒川の流域が農村であった時代には、各所に水車が設けられ製粉や精米などに利用されました。近代になると、品川から水運を利用して物資を運搬することにより、工場を建設する計画が持ち上がりました。川幅が広くなっている「船入場(ふないりば)」がその名残です。
戦後の高度経済成長期には、工場や家庭の汚水流路となり、ドブ川と化しました。しかし、環境浄化意識の高まりとともに各種の取り組みを行った結果、今日の状態に回復しました。
中目黒駅に近い正覚寺(しょうがくじ)は、仙台藩の伊達家と縁が深く、本堂は四代藩主伊達綱村(はんしゅ だてつなむら)の生母三沢初子邸(せいぼ みさわはつこ てい)の部材を活用して建てられたと伝えられています。
目黒二丁目周辺の田道(でんどう)地域には、庚申塔(こうしんとう)がいくつか残されています。田道(でんどう)庚申塔(こうしんとう)群が建つ道は、江戸城下から目黒へと続き、道沿いに家が点在し集落となっていたと考えられます。
大円寺(だいえんじ)の前の急坂は行人坂(ぎょうにんざか)といい、権之助坂(ごんのすけざか)ができるまでは江戸への主な交通路として往来が盛んでした。
文化財めぐり(目黒川コース)見学場所の解説
1 正覚寺(しょうがくじ)(中目黒三丁目1番6号)
元和(げんな)5年(1619年)日栄上人(にちえいしょうにん)によって開かれました。
当初は碑文谷法華寺(ひもんや ほっけじ)(現在の円融寺(えんゆうじ))の末寺(まつじ)でした。
元禄(げんろく)(1688年から1704年)の頃、法華寺が不受不施(ふじゅふせ)の教えにより取り締まりを受け、身延山久遠寺末寺(みのぶさん くおんじ まつじ)になりました。
墓地には、伊達家四代藩主伊達綱村(はんしゅ だてつなむら)の生母(せいぼ)三沢初子の墓(みさわはつこのはか)(都指定文化財)があります。
三沢初子は、伊達家のお家騒動を題材にした歌舞伎「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」の政岡(まさおか)のモデルといわれ、境内に銅像が建てられています。
その他に、鬼子母神堂には伝教大師作(でんきょうだいし さく)と伝えられる鬼子母神像がまつられています。
2 川の資料館(中目黒一丁目11番18号)
船入場親水広場に建てられ、目黒川の解説や展示を行っています。なかでも目黒川の水中生物や鳥などの解説が充実しています。また、広場下は調整池になっており、目黒川の氾濫を防止するための巨大な地下空間が広がっています。
川の資料館は平成24年3月末をもって閉館となりました。
3 ひいらぎ庚申(こうしん)(目黒二丁目3番)
ひいらぎ庚申(こうしん)は道しるべを兼ねた庚申塔(こうしんとう)です。すぐ前に架かる田道橋(でんどうばし)を通る道は江戸から目黒方面へ抜ける旧道でした。庚申塔(こうしんとう)の右面には「しんてら、ゆふてん寺 道」、左面には「こんひら、ふとう尊 みち」と刻まれ、往来する人々のしるべとなっていました。
4 田道庚申塔群(でんどうこうしんとうぐん)(目黒二丁目13番)
延宝(えんぽう)5年(1677年)から正徳(しょうとく)3年(1713年)までの庚申塔6基と、延宝(えんぽう)元年(1673年)の地蔵1基が一か所にまとまって残る珍しいものです。屋根が掛けられ、保存状態も良好です。庚申講が現在も続いていて庚申塔を守り伝えています。
区内では、田道庚申塔群(でんどうこうしんとうぐん)、五本木庚申塔群(ごほんぎこうしんとうぐん)、鉄飛坂庚申塔群(てっぴざかこうしんとうぐん)が区指定文化財になっています。
5 大円寺(だいえんじ)(下目黒一丁目8番5号)
寛永(かんえい)年間(1624年から1644年)のはじめ頃、湯殿山(ゆどのさん)の修行僧大海法印(たいかいほういん)が現在の行人坂を切り開き、大日如来をまつって祈願所を開設したのが始まりと伝えられています。
国指定重要文化財木造釈迦如来立像(もくぞうしゃかにょらいりゅうぞう)をはじめ、区指定文化財の木造十一面観音立像(もくぞうじゅういちめんかんのんりゅうぞう)、木造阿弥陀三尊像(もくぞうあみださんぞんぞう)、山手七福神の大黒天などが安置されています。
また、境内の都指定文化財大円寺石仏群(だいえんじせきぶつぐん)は、江戸三大火のひとつ、明和(めいわ)9年(1772年)大火の犠牲者供養のために造られたといわれ、子どもを抱いた母と見られる像など様々な表情に富んだ像が見られます。
お問い合わせ
生涯学習課 文化財係
電話:03-5722-9320