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更新日:2014年2月4日

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目黒の坂 謡坂(うたいざか)

「目黒の坂」は、「月刊めぐろ」1972年3月号から1984年2月号の掲載記事を再構成し編集したものです。

目黒の坂 謡坂

「謡坂(うたいざか)」という坂は、近畿以東に40余りもあるという。そのひとつが目黒区にある。

謡坂

この坂は、東横線ガード下から蛇崩川へ下る上目黒四丁目と五本木一丁目との境の道となっている。

坂名の由来については、資料が少なく、確かなものはない。目黒区郷土研究会の資料によると「ウタイ」の語源が、アイヌ語のウタ、出崎を意味するとある。蛇崩川は、昔、かなり大きな川だったらしく、その川に出崎があり、そこをこの坂がう回していたのではないかとある。

昭和17年から坂の中ほどに住む小沢夏哉さんに話を伺った。「私が、ここに来た当時は、道幅もせまく、もっと坂らしい坂でしたよ。道幅は1間半ぐらいだったかな。追いはぎが出た寂しい坂でしたよ。坂名の由来ね…古くから住む地元の人でないとわからないんじゃないですか」

2人、3人にきいてみたが、わからない。そこで、地元の人で祐天寺かいわいでは、一番の長老といわれる田中守太郎さんに話を伺うことにした。「この辺には、昔は何もなかった。周囲は、畑とナラ林だけ。震災の後だったか、坂のわきに16軒長屋なんてものが建って、人がぽつりぽつりと住み始めたっけ。そこの人たちが、「坂に何か名をつけよう」ということで「うたい坂」とつけたんだね。この長屋に長唄か踊りを教える人がいたなんて話も聞いたことがあったな」

年々、古くから地元に住む人が減っていることもあって、区内にあるたくさんの坂の中でも、その名やそれにまつわる話の分かる人が少なくなってきている。

現在の謡坂は、左右にギッシリ家が建ち並らび、アスファルトで舗装された道となっている。

謡坂付近の地図

謡坂付近

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