更新日:2024年11月13日

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SDGsポスター物語「ようこそ目黒区へーその六 渋沢栄一編」

SDGsポスター物語「ようこそ目黒区へーその六平賀源内編」

この物語は、目黒区にタイムスリップしてきた歴史上の偉人とのやりとりの中で、SDGs達成の大切さに気付く、そんな物語です。
物語はフィクションです。

SDGsポスター物語「ようこそ目黒区へーその六 渋沢栄一編」(PDF:991KB)

時は21世紀、ところは目黒。

目黒区の魅力やSDGsの取り組みを伝えることをミッションに、目黒を駆け巡る広報課Aさん。
どうやって伝えるか悩み続けるAさんの前に現れたのは、なんと時空を越えタイムスリップしてきた源義経と弁慶だった(「ようこそ目黒区へーその壱 源義経・弁慶編」参照)。

秋の目黒の風物詩「目黒区民まつり」では古典落語「目黒のさんま」のモデルともいわれる徳川家光(「ようこそ目黒区へーその弐 徳川家光編」参照)、大学受験には学問の神様とよばれる菅原道真(「ようこそ目黒区へーその参 菅原道真編」参照)、夜桜舞う目黒川のほとりに紫式部(「ようこそ目黒区へーその四 紫式部編」参照)、そして目黒清掃工場には平賀源内(「ようこそ目黒区へーその五 平賀源内編」参照)も登場!

季節は巡り、再びの秋。毎年恒例の目黒区商工まつり、通称「目黒リバーサイドフェスティバル」の取材を行う広報課Aさんの背後に現れた小柄な人影!今回の偉人は…。

偉人との出会いが、広報課Aさんや現在と未来の人々にSDGsの重要性を投げかける。
SDGsポスター物語「ようこそ目黒区へーその六 渋沢栄一編」はじまり、はじまりー!

目黒リバーサイドフェスティバル

「源内さん、調子はどうですか?」
「A殿!久しいな。清掃工場見学以来か」
目黒区広報課Aさんが声をかけたのは、江戸時代から時空を超えてやってきた平賀源内。二人の他にも多くの人で賑わうこの目黒区民センターでは毎年恒例の目黒区商工まつり、通称「目黒リバーサイドフェスティバル」が開催されていた。
60回以上開催の歴史を誇り、区内企業が自社製品の展示や販売、催しを通して区民と地域の輪を広げるイベントだ。経済に関する講演会、子どもたちの職業体験、全国各地の特産品販売や飲食ブースなど多くの企業・団体が参加し盛り上がっている。

平賀源内も発明品を出展

平賀源内24秋

源内も発明品を出展するとの知らせを受けて取材に訪れた広報課Aさん
「それで源内さん、現代技術で発明した作品というのは?」
「おう!道真公の資金援助で完成した携帯型発電機。その名も「エレキテルG」Gはギガワット、グレート、そして源内のGだ!」
「なんだかすごそうですね」

渋沢栄一登場!

源内の勢いに少々圧倒された広報課Aさんの背後からふいに現れた小柄な人影。
「これはなかなか面白い機械ですな」

渋沢栄一24秋

振り向くとそこには、どこか見覚えのある老人。役所の偉い人?議員さん?と記憶を辿るAさんだったが、ふと思い出し慌てて財布を探す。

取り出した一万円札と目の前の老人を見比べながら
「やっぱり!渋沢栄一さん!」

広報課A24秋

「いかにも渋沢です。ここに来てからやけに名前を呼ばれるので不思議に思っていたのですが、それは一円券ですか?」
「いえ、これは一万円札です。新紙幣が発行されたばかりで、その肖像画に選ばれたのが渋沢さんです」
「一万円札?我が国はいつの間にそれほどのインフレに?」
「戦後からでしょうか。渋沢さんの活躍されていた時代からだと百年近く経っていますね」

広報課Aさんはこれまでの偉人来訪事件と現代の様子について簡単に説明した。

現代の日本について語る渋沢栄一

「百年後の目黒に源義経や菅原道真、そしてあなたが平賀源内さん?」
「おうよ。よろしくな爺さん。といっても生まれ順なら年下になるのか」
「老中、田沼意次殿の経済政策は大変参考にさせてもらいました。失脚は非常に残念でしたね」
「へぇ田沼のおっさんも後世の役に立ったみてぇでなによりだ」
「田沼時代がもう少し続いていたら、日本の開国は早まり、欧米と同時期に産業革命を成し遂げ、資本主義国家への道を進んでいたかもしれません」
「近代日本経済の父と言われる渋沢さんには現代の日本はどう見えますか?」
広報課Aさんは率直な疑問を投げかけてみた。
「私は日本の未来に必要だと思う事業を次々と立ち上げてきました。こうして目覚ましい発展を遂げた百年後の日本に来て、その行いは間違っていなかったと確信できました」
「渋沢さんが設立に携わった会社は今も続く大企業ばかりですね」
「しかし現代の人の多くは、成功や失敗にこだわり他人よりもたくさんお金を稼ぐことだけに囚われているように見えます。一個人の利益になる仕事よりも、多くの人や社会全体の利益になる仕事をすべきだと思うのです」
「それが長引く不況の要因のひとつなんでしょうか?」
「わかりません。私の時代と違うといえばそれまでですが、あの頃は豊かになる日本の未来に夢を見ることができた。新しい技術や産業で暮らしが便利になり、人々は活気に溢れていました」
「わたしたち庶民は日々の暮らしで精一杯。偉い人たちに何とかしてほしいなって思っています」
「好きなこと楽しいことになるべくお金を使いましょう。溜め込んでいては経済は停滞する一方です」
「金は天下の回りものって言うしな」
源内も同意を示すように膝を叩いた。
「そういえば先程の機械をもっと詳しく見せて頂きたいのですが」
「さすがお目が高い。こいつは電力不足を一挙に解消できる優れもんでよ」
源内は目を輝かせながら機械の構造や量産化への夢を語った。
「素晴らしい!この機械を普及させるため一緒に会社を作りませんか?」
横で聞いていた広報課Aさんも大喜び。
「源内さん良かったですね。あの渋沢さんが手伝ってくれるなら成功間違い無しですよ!」
目黒区に新たな住人が加わった。

ようこそ目黒区へ

登場人物紹介

平賀源内24秋

平賀源内

1728年生(49歳)。
江戸時代中期に活躍した本草学者。
地質学、蘭学、医学に通じ戯作家、浄瑠璃作者、俳人、西洋画家など文化芸術分野でも活躍。
その多才ぶりから江戸のダ・ヴィンチとも称される。
燃えない布(火浣布)、温度計、万歩計などの発明品や原理もわからずエレキテルの修復に成功するなど、発明家としてのエピソードが有名。

渋沢栄一24秋

渋沢栄一

1840年生(89歳)。
「日本資本主義の父」と称される実業家。
銀行を拠点に企業の創設・育成に力を入れて約500もの企業に関わったほか、約600の社会公共事業・教育機関の支援や民間外交に尽力。
公共の利益を追求することで、皆が幸せになり、ひいては国が豊かになると考え実践。

 

広報課A24秋

広報課Aさん

目黒区役所の広報課で働く通称Aさん。
真面目で頑張り屋の彼女は、目黒区のPRのため北は駒場から南は大岡山まで東奔西走。
大鳥神社の神頼みによる不思議な力で、歴史上の偉人まで呼び寄せてしまう。

 

紫式部24秋

紫式部

970年から978年生まれ(正確な生まれた年は不明。35歳)。
宮中では藤式部(とうのしきぶ、ふじしきぶ)と呼ばれており、後に「紫式部」と呼ばれたとされるが、いずれも通称。本名は不明。
「源氏物語」の作者として知られ、「百人一首」にも和歌が収められている。
藤原道長に召し出され、道長の娘、一条天皇の中宮彰子に仕え、「源氏物語」を完成させたとされる。
不思議な力で現代の目黒区に現れた。

 

菅原道真24秋

菅原道真

845年生(57歳)。
学問で朝廷に仕える家系に生まれ、5歳にして和歌を、11歳で漢詩を詠む。
宇多天皇の絶大な信頼を得て、学者としては異例の右大臣となったが、いわれのない罪で大宰府へと左遷される。没後は長く学問の神様として信仰され、物語では、不思議な力によって現代の目黒区へ呼び寄せられ、学問を志す全ての人にエールを送る。
現代の世では、その才を生かし、敏腕トレーダーとして飲食店まで経営!

 

徳川家光24秋

徳川家光

1604年生(32歳)。
江戸幕府の第3代征夷大将軍。
武家諸法度の改定や参勤交代など一連の強権政策により、幕府の統治を盤石なものとした。
剣術や遠乗りなど武芸を好んだ。
遠乗りの帰りに立ち寄った目黒でさんまを食して以来その虜に。
落語「目黒のさんま」に出てくる殿様のモデルとも言われている。

源義経24秋

源義経

1159年生(26歳)京都出身。
鎌倉幕府初代将軍 源頼朝の弟で、幼名は牛若丸。
頼朝の平氏打倒の挙兵に応じ、数々の戦功を挙げる。
壇ノ浦の合戦の最中、不思議な力により現代の目黒区に出現。
中目黒夏まつりに飛び入り参加し、よさこいと阿波踊りを堪能。
戦争の無い現代の日本・目黒を大いに気に入り、Aさんの勧めで現代の目黒区で暮らすことに。

 

武蔵坊弁慶24秋

武蔵坊弁慶

1155年生(30歳)。
巨躯と怪力が自慢の僧兵。五条大橋で義経に敗れて以来、義経の忠臣として最後まで仕えたとされる。
主人の義経とともに現代の目黒区に出現。
自由奔放な義経に振り回されながらも、現代社会に馴染もうと奮闘中。

 

スマにゃん24秋

スマにゃん

目黒区商店街連合会の公式マスコットキャラクター。
目黒区商店街生まれの子どもとダンスが好きなツンデレな猫。

 

  • 企画・デザイン 目黒区広報課 大谷信広
  • イラストレーション 亀川秀樹

お問い合わせ

広報課 区報担当

ファクス:03-5722-8674