更新日:2024年7月10日

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SDGsポスター物語「ようこそ目黒区へーその五 平賀源内編」

SDGsポスター物語「ようこそ目黒区へーその五 平賀源内編」

この物語は、東急グループが運行する「SDGsトレイン 美しい時代へ号」に、目黒区が掲出しているSDGs(持続可能な開発目標)啓発ポスターに掲載した物語です。
目黒区にタイムスリップしてきた歴史上の偉人とのやりとりの中で、SDGs達成の大切さに気付く、そんな物語です。
物語はフィクションです。

SDGsポスター物語「ようこそ目黒区へーその五 平賀源内編」(PDF:625KB)

時は21世紀、ところは目黒。

目黒区の魅力やSDGsの取り組みを伝えることをミッションに、目黒を駆け巡る広報課Aさん。
どうやって伝えるか悩み続けるAさんの前に現れたのは、なんと時空を越えタイムスリップしてきた源義経と弁慶だった(「ようこそ目黒区へーその壱 源義経・弁慶編」参照)。

秋の目黒の風物詩「目黒区民まつり」では古典落語「目黒のさんま」のモデルともいわれる徳川家光(「ようこそ目黒区へーその弐 徳川家光編」参照)、大学受験には学問の神様とよばれる菅原道真(「ようこそ目黒区へーその参 菅原道真編」参照)、そして夜桜舞う目黒川のほとりに紫式部(「ようこそ目黒区へーその四 紫式部編」参照)も登場!

季節は巡り、再び訪れた暑い夏。ワンピースを着こなし、すっかり現代人となった紫式部がルポライターとして訪問した先には、不思議な箱を持ったちょんまげ姿のあの偉人の姿が!今回の偉人は…。

偉人との出会いが、広報課Aさんや現在と未来の人々にSDGsの重要性を投げかける。
SDGsポスター物語「ようこそ目黒区へーその五 平賀源内編」はじまり、はじまりー!

ルポライター 紫式部!

「暑いわねぇ。これが噂の地球温暖化なの?現代の装束が薄手の衣で良かったわ。こんな日に十二単なんて着てられない」
「もうすっかり現代人ですね。今日のワンピースもすてきです」
「でおうる?とかいう道真(みちざね)様からの贈り物なのよ。お仕事も紹介してもらったし、お世話になりっぱなし」

紫式部

「インスタグラマー、エッセイスト、書家と精力的に活動されていますよね」
「今日はルポライターとして「目黒区の白い巨塔」の謎に迫りたいと思っているの」
そう意気込む紫式部とその隣にはおなじみ広報課Aさんの姿。

広報課Aさん

炎天下の昼下がりに二人がやってきたのは目黒川沿いに佇む「目黒清掃工場」

白い塔のように高くそびえる煙突は目黒のシンボルとなっている。
「ごみを集めて燃やす工場?現代風の仏塔ではないの?」
少々不服そうな紫式部をフォローする広報課Aさん。
「でも最新設備のすごい工場なので面白いと思いますよ。仲良しの同期が見学の手続きで先に来ているはず…」

平賀源内登場!

「てやんでぃ、ここが目黒?そんなおかしな話があるもんかい」
まくしたてるちょんまげ姿の男に対して、細身の女性は怪訝な表情。
(時代錯誤の服装に、江戸っ子口調。この人もしかして…)
その場にたどり着いた広報課Aさんが声をかける。
「Mさん、お待たせ」
声をかけられた女性こそ待ち合わせの相手、目黒区清掃リサイクル課のMさんだ。

清掃リサイクル課Mさん

「あ、Aさん良いところに。このかたって前に聞いた偉人さんかな?」
「また新しい偉人さんかも!私たち目黒区役所の職員なのですが、お名前お伺いしても?」
「おいらは平賀源内ってけちな学者さ。ゆうべは飲みすぎちまって、なんも覚えてねえんだ」

平賀源内

時代を超えてやってきた偉人の相手はお手のもの、早速広報課Aさんはこれまでにやってきた偉人の話や、現代の様子などについて説明する。
紫式部も加わり説得力が増し、源内も半信半疑ながら状況を飲み込めたようだ。
「源氏物語の紫式部とは驚いたね。おいらも戯作なんかを書くんで、今度読んでもらいてぇもんだな。それで皆さんおそろいで工場見物って訳かい」
「はい、もし良かったら源内さんも一緒にどうですか?」
「そいつは面白え。よろしく頼むぜ」

目黒清掃工場を見学!

「ごみためだってんで、ひどい悪臭を覚悟してたが、臭いもなけりゃ音もねぇ」
近代設備に目を輝かせ興味関心の向くまま、構造や原理について質問する源内。
「あのでっけえ手はどうやって動いてやがるんだ?」
「ごみを撹拌するクレーンですか?工場内の設備はごみを燃やした熱で発電した電気を利用しています。余った電気は電気事業者に売られ、近隣の学校などに供給されているんですよ」
清掃リサイクル課Mさんが丁寧に説明する。
「電気?エレキテルのことかい?そんな使い道があったとは!バチバチするだけじゃなかったんだな」
「他にもごみを燃やした灰をセメントの原料などに再利用して、埋め立て処分する量を減らしているようです」
「江戸の灰買い屋みてえなもんだな。灰は畑の肥料や洗髪にも使えんだよ」
「埋め立て処分場はあと50年で満杯になると言われているので、目黒区ではMGR100と題して3つのR(リデュース・リユース・リサイクル)を推進しています。特にリデュース(ごみ減量)とリユース(捨てずに繰り返し使う)に力を入れ、できるだけごみを出さないことが大切と伝えています」
「りゆうす?ってのは江戸でよく聞く話だな。着物は繕って着回し、着られなくなりゃ、雑巾やおむつにする。紙も紙くず買いってのが問屋に持っていきすき直して売る。ろうそく、傘、草履、釜なんかも買い取って直す。限られた資源をうまいこと使いまわしてるのさ」
「江戸時代が高度な循環型社会だったというのは聞いたことがあります。現代でも参考にできることはたくさんありそうですね」
Mさんの言葉を受けて気を良くした源内。
「おいらの知恵が役に立つってんならひと肌脱ごうじゃねえか。天才奇才と言われたこの力、存分に振るえる機会を待ってたぜ」
全身に電流が駆け巡るような才気の片鱗をみた広報課Aさんも感激。
「さすが日本のレオナルド・ダ・ビンチと言われた源内さん。たくさんのアイデアで助けてくれそうですね」
「この時代ならおいらの頭ん中にあったもんが何でもできそうな気がするぜ。大船に乗ったつもりで任せとくれ」
粋でいなせな江戸っ子感を出しているが、この平賀源内、生まれは讃岐、いまの香川県である。
かくして目黒区に新たな住人が加わった。

ようこそ目黒区へ

登場人物紹介

 

広報課Aさん

広報課Aさん

目黒区役所の広報課で働く通称Aさん。
真面目で頑張り屋の彼女は、目黒区のPRのため北は駒場から南は大岡山まで東奔西走。
大鳥神社の神頼みによる不思議な力で、歴史上の偉人まで呼び寄せてしまう。

 

紫式部

紫式部

970年から978年生まれ(正確な生まれた年は不明。35歳)。
宮中では藤式部(とうのしきぶ、ふじしきぶ)と呼ばれており、後に「紫式部」と呼ばれたとされるが、いずれも通称。本名は不明。
「源氏物語」の作者として知られ、「百人一首」にも和歌が収められている。
藤原道長に召し出され、道長の娘、一条天皇の中宮彰子に仕え、「源氏物語」を完成させたとされる。
不思議な力で現代の目黒区に現れた。

 

菅原道真

菅原道真

845年生(57歳)。
学問で朝廷に仕える家系に生まれ、5歳にして和歌を、11歳で漢詩を詠む。
宇多天皇の絶大な信頼を得て、学者としては異例の右大臣となったが、いわれのない罪で大宰府へと左遷される。没後は長く学問の神様として信仰され、物語では、不思議な力によって現代の目黒区へ呼び寄せられ、学問を志す全ての人にエールを送る。
現代の世では、その才を生かし、敏腕トレーダーとして飲食店まで経営!

 

清掃リサイクル課Mさん

清掃リサイクル課Mさん

目黒区役所の清掃リサイクル課で働く通称Mさん。
MGR100」の達成に向けて「めぐろ買い物ルール」の取組を進めながら、ゴミラスとともに、ごみ減量に向けて日々取り組んでいる。

 

平賀源内

平賀源内

1728年生(49歳)。
江戸時代中期に活躍した本草学者。
地質学、蘭学、医学に通じ戯作家、浄瑠璃作者、俳人、西洋画家など文化芸術分野でも活躍。
その多才ぶりから江戸のダ・ヴィンチとも称される。
燃えない布(火浣布)、温度計、万歩計などの発明品や原理もわからずエレキテルの修復に成功するなど、発明家としてのエピソードが有名。

 

徳川家光

徳川家光

1604年生(32歳)。
江戸幕府の第3代征夷大将軍。
武家諸法度の改定や参勤交代など一連の強権政策により、幕府の統治を盤石なものとした。
剣術や遠乗りなど武芸を好んだ。
遠乗りの帰りに立ち寄った目黒でさんまを食して以来その虜に。
落語「目黒のさんま」に出てくる殿様のモデルとも言われている。

 

武蔵坊弁慶

武蔵坊弁慶

1155年生(30歳)。
巨躯と怪力が自慢の僧兵。五条大橋で義経に敗れて以来、義経の忠臣として最後まで仕えたとされる。
主人の義経とともに現代の目黒区に出現。
自由奔放な義経に振り回されながらも、現代社会に馴染もうと奮闘中。
現在、ごみ収集補助員としてアルバイト中。

 

ゴミラス

ゴミラス

目黒区のごみ減量キャラクター。
ごみを減らすためにごみを食べてくれる。
資源にできるものがごみの中に入っているとお腹を壊してしまう。
資源とごみの分別がゴミラスからのお願い。

 

  • 企画・デザイン 目黒区広報課 大谷信広
  • イラストレーション 亀川秀樹

お問い合わせ

広報課 区報担当

ファクス:03-5722-8674