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ひとめぐり「駒場野ホタルの会 佐久間たか子さん」(令和6年6月15日号)
ひとめぐりは、目黒区で活躍するかたにスポットを当てて紹介する、めぐろ区報の連載記事です。
また、紙面で掲載しきれなかったインタビューを動画でもお楽しみいただける、ひとめぐりmovieも掲載します(動画のない記事もあります)。
令和6年6月15日号 vol.34
駒場野ホタルの会 佐久間たか子さん
プロフィール
佐久間たか子さん
平成3年に地域住民により設立された、駒場野ホタルの会代表。目黒区、学校、ボランティアなどと協働して、ホタルがすめるような里山環境の保全に取り組んでいる。
次世代へつなぐ生き物と住む里山づくり
ホタルがすめる環境を次世代に残したい
昔ながらの自然がそのまま残る駒場野公園。雑木林や水田、ため池など、貴重な里山が今も残っています。「昭和53年、元々この場所にあった東京教育大学が筑波に移転し、その跡地にできたのが駒場野公園です。貴重な樹木や生き物が残っている場所だったので、保全して残していくため、平成3年に駒場野ホタルの会を結成しました」。そう語るのは、駒場野ホタルの会結成当初からのメンバーで、代表を務める佐久間さん。
「昭和30年頃までは、この辺りにもホタルが飛んでいました。ホタルは、人が生きていくのに一番良い環境で育つんです。ホタルを大切にすることが、他の多様な生き物や私たちにとってもすごくいい環境を作ることにもつながるため、この会名としています」。
毎年6月にホタル観察会を開催
「私たちは、いろいろなデータを集め、何度も実験をしてきましたが、残念ながら現在のこの場所にはホタルは定着しないという結論に至りました。ホタルはオスとメスが暗闇の中、光で通信し合います。駒場野は渋谷から近く、夜でも空が明るいため、オスとメスが巡り合えないんです。なので今は、私たちがホタルを産卵させ、幼虫から育てています。毎年6月には、羽化したホタルの観察会を行っています。年によりますが100匹から200匹程度は羽化します」。
「本当はホタルの復活を目指したかったんですが、今は飼育することではなく、里山の環境を伝えていこうというのが目的です。また、ホタルの飼育以外にも、生き物の観察会や写真展の開催、園内の間伐材で作った炭での水質改善活動、同じく間伐材を用いたキノコ栽培など、活動は多岐にわたります」。
ヘイケボタル
小さなことでも、自然から感じてほしい
今後の目標について尋ねると、「多くのかたが、目黒区にこんな素晴らしい公園があることを知らないんです。はやりのグランピングなどで自然と触れ合うことは素晴らしいと思います。でも、もっと身近なところでもそういう触れ合いはできるっていうことを知ってほしいですね」。
「駒場野公園は、区内でも標高が高く、目黒川上流に位置しています。この高い場所から川が流れていき、それに沿って水の生き物や鳥もすみついていく。鳥や虫を見つけるのは、やっぱり周辺の環境がいいということ。もし見かけなくなったら、環境がだんだん悪くなっていると感じてほしい。そういう感覚を大切にしてほしいなって思います」と語ってくれました。
シイタケ
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