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ひとめぐり「合同会社ネイバーフード代表 横田侑子さん」(令和7年3月15日号)
ひとめぐりは、目黒区で活躍するかたにスポットを当てて紹介する、めぐろ区報の連載記事です。
令和7年3月15日号 vol.43
合同会社ネイバーフード代表 横田侑子さん
プロフィール
横田侑子さん
平成6年生まれ。英国の大学院でフードバンクを研究し修士号を取得。外資系コンサルティング会社を経て、令和2年に仲間3人でフードバンク「ネイバーフード」を設立。昨年、第1子を出産し、育児をしながら活動中。
地域に根差したフードバンクが雨の後のタケノコのように増えていくといいなと思っています
フードバンクに興味を持ちイギリスに留学
「フードバンクとは、余剰食品などを集め、必要な人に配る活動です」と話すのは、目黒区を拠点に活動するネイバーフード代表の横田さん。「大学時代に食の社会学を学んだことがきっかけで、インターンとして大規模なフードバンクで働きました。その時に、食品を寄付で賄っていても、食品の輸送費や保管費、人件費などのコストが想像以上にかかることを知りました」
さらに興味を深めた横田さんは、英国の大学院へ留学。「当時、イギリスの人口は日本の半分なのに、フードバンクの拠点は約20倍。地域の教会が拠点となり、寄付やボランティアの文化も根付いていることを知りました」
インターンと留学を経て横田さんが出した答えは、地域完結型のフードバンクでした。「地域で集めて地域で配れば、輸送費などのコストがかかりません。どこの誰に配るのか分からないのではなく、自分が暮らす地域で役立つのであれば協力しやすくなるはずと考え、自分が暮らしている目黒区で活動を始めました」と話します。
気軽に頼れるフードセーフティネットに
配布情報は、ネイバーフードのウェブサイトや区の公営掲示板で知らせ、毎月2回、支援を求める世帯へ配布を行っています。
「受け付けを開始すると、あっという間に予約は埋まってしまいます。そのたびに、もっと応えられるようになりたいと思います。食べるものがない時、いきなり生活保護というのはハードルが高いですよね。その手前で頼れる場所が必要なんです。ここが、その一つになれたらという思いで活動を続けています」
配布は予約制。利用者ごとに時間を区切っている
誰もができる持続可能な活動をめざして
横田さんの次の目標は、持続可能な活動の実現といいます。
「昨年、妊娠・出産をし、同じ人が続けていくことの難しさを実感しました。持続していくためには、いろいろな人が関われる形を作ることが重要だと思ったんです」。思うように寄付が集まらず、自身がコンサルティング業で得た収益も活動費に充てていると話す横田さん。「実際、寄付だけでは難しく、どこかで収益を上げる必要があります。そこで、トートバッグを作って販売することにしました。こうした取り組みによって活動が持続し、拠点が増えていくことを期待しています」
タケノコの名産地だった目黒で、小規模なフードバンクがタケノコのようにポコポコと出てくることを願い、ロゴマークにしたという横田さん。「目黒でこの活動を広げていきたいと思っています。皆さんのアイデアやご協力をお待ちしています」と語ってくれました。
トートバッグはオンラインで販売
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