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目黒の坂 目切坂
「目黒の坂」は、「月刊めぐろ」1972年3月号から1984年2月号の掲載記事を再構成し編集したものです。
目黒の坂 目切坂
東横線代官山トンネルの真上にある交差点の一番せまい道を入ると、目切坂がある。この坂は、青葉台一丁目と上目黒一丁目の境を、高い塀と住宅に囲まれて、いくつかに折れ曲がり、西に下っている。坂の形は、今も昔もあまり変わりはないという。
この坂のある位置は、東横線中目黒駅のホームから代官山の方を見るとわかるように、ちょっとした山となっている。この山を丸旦山(まるたんやま)と呼び、急な傾斜になっている。そのためふもとから山頂までは、切り通しを設けねばならなかった。ところが、この坂は、斜めに切り通しをしたので、ちょうどひき臼の目切に似ていたという。
また、明治10年ごろまで、この坂上で伊藤與右ヱ門という者が、石臼の目を切る仕事をしていたということで、「目切坂」と呼ばれたそうだ。ほかにもいくつか説はあるが、はっきりしたことはわかっていない。
また、この坂は、昔、鎌倉街道の中途にある昼なお暗い林の中を通っていた。そんなことから別名を「くらやみ坂」または「しめ切坂」などとも呼ばれていた。
目切坂
坂上から歩いて下ると約300歩あるので、250メートルぐらいはあろう。坂には、4つのカーブがある。住宅建設が進み、周囲の様子はかなり変化してきているが、今でも歩く人は少ない。ときどき自転車を重そうに押して上って行く人が、目につくぐらいである。そうかといって深閑としているわけではない。坂上の大通りから、しばしば自動車が下って行く。
目切坂付近
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