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更新日:2023年7月11日

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ひとめぐり「目黒寄生虫館館長 倉持利明さん」(令和5年6月15日号)

ひとめぐりは、目黒区で活躍するかたにスポットを当てて紹介する、めぐろ区報の連載記事です。
また、紙面で掲載しきれなかったインタビューを動画でもお楽しみいただける、ひとめぐりmovieも掲載します(動画のない記事もあります)。

ひとめぐりmovie

令和5年6月15日号 vol.23 公益財団法人 目黒寄生虫館館長 倉持利明さん

倉持利明さんの顔写真

プロフィール

国立科学博物館動物研究部で魚類の寄生虫研究を行う。当時、同業者として交流していた目黒寄生虫館の小川和夫前館長の誘いを受けて2021年、第6代館長に就任。研究・展示を通じ、寄生虫の啓発とともに館のさらなる発展に取り組む。

「忘れたころにやってくる寄生虫を安全に怖がってほしい」

創設70年を迎え、第6代館長に

目黒寄生虫館は、日本で唯一の寄生虫を専門にした私立博物館です。1953年、医学博士で初代館長の亀谷了氏が私財を投じて建てた小さな博物館が始まりです。
「70年という長い歴史があって今があります」と倉持館長。「当館をより発展させていくことが私の使命です。新しい目標に向かっていけるよう、研究も運営も強固なものにしていかなければなりません」

寄生虫のことを理解し安全に怖がってもらうために

同館では、寄生虫の分類学を中心に日々研究を行い、啓発活動を行っています。
「日本は寄生虫制圧の先進国ですが、そんな日本でも突然発生する可能性はあります。寄生虫は忘れたころにやってくる現象が結構あり、私どもは目を見張り、警鐘を鳴らさなければなりません。寄生虫を多くのかたに理解してもらい、安全に怖がっていただく。恐怖に震えるのではなく、こうすれば大丈夫、という方法を皆さんに知っていただくことが大切だと思っています」
館内には、ロゴマークにもなっているフタゴムシや、8メートルを超えるサナダムシをはじめとする常設展示、不定期で開催される特別展示など、常時300点ほどの標本と関連資料が展示されています。見所を尋ねると、「標本を美しく見せることを第一に心掛けています。きっと気持ち悪いよね、と言いながら来館されたかたが、こんなきれいだったのって驚くような展示を作りたいですね」と展示品を見て笑います。

寄生虫の写真

寄生虫館を守り、発展させていきたい

「分野横断的に垣根を取り払った研究をして、寄生虫を入り口としてSDGsに迫っていきたいです。そのためには今の研究環境、博物館そのものを守らなければいけない。より広い範囲をカバーできる博物館にしたいと思っています」と将来への思いを語ってくれた倉持館長。
「区民のかたには、何度も足を運んでもらって、このケースの右から3番目に〇〇があるよね、くらい覚えていただきたいです。もしも忘れていた寄生虫が突然発生したとき、あそこにあった寄生虫だと思い出してもらえる、そんな施設を目指したいと思います」

お問い合わせ

広報課 (区報担当)

ファクス:03-5722-8674

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