更新日:2022年6月16日

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元気なお店、活気ある事業所をご紹介します「株式会社博水社」

概要


事業所の外観

所在地

目黒区目黒本町六丁目2番2号

代表

代表取締役社長 田中 秀子

電話番号

電話:03-3712-4163

会社設立

1928年

「ハイサワー」を育ててもらった地元・目黒の居酒屋への感謝を忘れずに


代表取締役社長 田中 秀子さん

「時代によって世の中が変わる云々と言われますが、ウチのような中小企業が私で3代目で会社自体もこれまで94年も続けてこられたのはすべて居酒屋さんに育ててもらったおかげなんです」とは「お酒を割るならハイサワー」のテレビCMでおなじみ、「ハイサワー」の製造・販売元である博水社の3代目社長を務める田中秀子さんです。

1928年に田中さんの祖父である田中武雄さんが品川で創業、戦前からラムネ、みかんジュース、サイダーの製造を行っていました。1954年に現在の目黒区目黒本町に工場を移転。1960年代に入るとアメリカの大手飲料メーカーが日本に上陸し、圧倒的な販売網を形成し全国に普及していきます。清涼飲料業界は急成長とともに大手市場の独占となり、中小企業の町のジュース屋は軒並み倒産・廃業を余儀なくされますが、そんななかにあって博水社は炭酸を主軸に展開。ウイスキーのハイボール割りなどに使われることで活路を見出していきました。

1970年代に入り、実父である2代目社長・田中専一さんがアメリカ・LA、サンフランシスコを旅行中にカクテルの種類の多さと普及に着目し、帰国後すぐに日本のカクテルを作ろうと焼酎に目を付け、その「割り材」の試作を開始。1980年、お酒の割り材「ハイサワーレモン」が誕生します。その後、地元・目黒界隈の居酒屋、酒屋などへ「ハイサワー」を持って地道な営業を重ね、現在では居酒屋はもちろんのこと家呑み用途でもお酒の割り材の定番商品へと成長していきました。

「ここ、本社のあるエリアはいまでもハイサワー特区として、プレゼント用の販促品を無料で配るとか地元のお店を応援する取り組みを続けています。それも無名だったハイサワーを地元で育ててもらった感謝の気持ちから。ウチの社員がそんな居酒屋さんの店前を通ると「一杯、呑んでいく?」と声をかけてもらえたり。そこでまた新しい人と人の繋がりができたりすることも多いですね」

地域とのいい関係性が築けている様子ですが、缶チューハイ仕様の「ハイサワー缶」にも地元・目黒への想いがつまっています。

「発売から40年経ってから缶チューハイを出すことになったのですが、缶チューハイって1年に360日新商品がリリースされるカテゴリで、スーパーでは常に座布団とり合戦なんです。なので、大手と同じ土俵で戦うのは無理だと考えて、昔ながらの赤と黄色と白のレトロなロゴをそのまま使って、缶に「東京目黒」って入れたの。ハイサワーのルーツは目黒だし、まずは目黒の人に良さをわかってもらう事が一番大事だと思った。地元で身の丈でやるのが一番。」

先入観を捨てて新しいことにチャレンジすべき

地元への感謝の気持ちを大切にする一方で、田中社長は新しい取り組みにも積極的。ハイサワーの発売40周年を記念して販売を開始した「ハイサワー スンチー 杏仁檸檬」もそのひとつです。

「いまはコロナ禍で居酒屋さんも苦戦しているし、世界中で原材料が高騰化していてウチも大変な状況ではありますが、そんなときこそ先入観を捨てて新しいことをやるべきだと思うんです」


博水社の製品

ピンク色の「スンチー」は田中社長発案の商品だったそうですが、「スンチーは、「神秘的な」という意味。誰もやりそうもない、何だこれは?というようなモノをつくってみたかったんです。味はハイサワーブランドの冠にふさわしいクオリティのまま、果汁の美味しさをピンク色できれいに表現できないかなと。あと、昨今コンビニで杏仁豆腐が人気だし私も大好きだから杏仁の香りを楽しめる、そんな商品を焼酎の割り材として新商品化したいと。ウチのベテラン社員に相談したら「無理」と言われたので、自分で調合して試行錯誤してつくりましたよ。ピンク色だから女性向けかなと思って販売してみたら意外や意外、男性にも結構呑んでいただけているんですよ。口が肥えているお客様からは檸檬がいっぱい入っているのわかるよ!と。これも新しい気づきでした。」。

自分に対していい意味で敷居を下げれば細く長く楽しく頑張れる

社員
「ハイサワー」営業車

飲料業界では珍しい女性社長として約20年ほど敏腕をふるっていますが、「たしかに男性が多い業界ではあります。ただ、とくに女性だからというわけではないけれど、社長になりたての頃は少し気負いがありましたね。自分が分からないことを素直に分からないと言えなかった。あるとき、分かっているフリをするのは相手にも失礼だし、こちらも言いたいことが言えない、と気づいたんです。それから分からないことは素直に分からないと言うことで、気持ちがだいぶ楽になった記憶がありますね。自分に対していい意味で敷居を下げる。そうすれば細く長く楽しく生きていける。あと、会社の中のことでいうと、ウチの社員は営業も配達も事務方もいつも助けあってる。家族みたいなものですよね。会社ってひとりでできるものではありませんから」。

そんな「家族」たちとのたわいもない雑談から生まれたのが大好評の「おつまみに合うポン酢」です。

「コロナ禍になって社員たちとリモート雑談していたら、ひとり暮らしの若手社員が「よく自宅で鍋料理をやるけれど、美味しいポン酢がない」と言い出したんです。考えてみたらウチのハイサワーレモンに使っているイタリアシチリア産の天然果汁をたっぷり使ったら、合成添加剤一切不使用のいままでにないポン酢ができるのではないかと思ったの。レモン果汁の扱いのノウハウもあるわけだし。割り材ハイサワーが主役のお酒を引き立てる脇役であるのと同様に、ポン酢も食卓の主役のおつまみに寄り添いたいっておもった。ひざまずく感じですかね?でも、脇役だからこそ品質にこだわる。それを使ったら美味しくなったねと言われるものを提供したいじゃないですか」

そのほか、黄色いボディに赤いハイサワーのロゴをあしらったカワイイ営業車も田中社長ならではのセンス。それとは別に軽トラの荷台にハイサワーのペットボトルを模した造形物をあえて斜めに載せた宣伝カー「ハイサワー号」も活躍していますが、それも田中社長が行きつけの寿司屋で聞いた話がきっかけ。

「人は斜めのモノに反応するって教わったからさっそくやってみたんです」

何事にも日々好奇心旺盛かつ聞き上手にして、いいアイデアやヒントを得たと思ったら即実行に移す行動力。これも博水社の原動力のひとつなのかもしれません。


ハイサワー缶


おつまみに合うポン酢

お問い合わせ

産業経済・消費生活課 中小企業振興係

ファクス:03-3711-1132

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