更新日:2024年3月7日

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区長庁内放送 令和6年1月26日

職員の皆さん、おはようございます。区長の青木です。
今年初めての庁内放送です。寒い日が続いておりますが、皆様は風邪などひいていませんでしょうか。

1 能登半島地震への対応

1月4日の仕事始めの際にもお話しいたしましたが、1月1日夕方、石川県能登地方で最大震度7の地震が発生し、各地で大きな被害が発生しました。1月22日現在、お亡くなりになられた方は232人、住宅被害は全壊80棟、半壊1,154棟となっております。犠牲になられた方に哀悼の意を表するとともに、被災された皆様方に心よりお見舞い申し上げます。

被災地を支援するため、1月6日(土曜日)に危機管理部の4名の職員が、支援物資の受け入れ先である本区の友好都市、金沢市へ支援物資をお届けしました。車両2台に500ml飲料水2,880本のほか、生理用品、大人用おむつなどを積んで、約6時間30分かけて運搬しました。地震や雪の影響で道中は色々な困難があったかと思います。本当にお疲れ様でした。

また、1月17日には、区長見舞金として30万円を石川県東京事務所に、また、15万円を金沢市東京事務所にお届けいたしました。あわせて、区民からの義援金の一部もお届けしてまいりました。今後も必要な支援を行ってまいりたいと思います。

2 災害への備え

そして、地震が発生した翌日、羽田空港で大きな事故がありました。日本航空の航空機と海上保安庁の飛行機が滑走路上で接触し、海上保安庁の職員5名がお亡くなりになりました。心よりお悔やみを申し上げます。

この事故では日本航空の航空機が全焼しました。しかし、驚くことにあれだけの大きな事故にも関わらず犠牲者は一人もいませんでした。乗っていた乗客367人、乗員12人、あわせて379人は無事、機外に脱出することができました。報道等によりますと、機内は火災の熱で熱くなり、開かなかった非常ドアもあったようです。

今回のケースを「奇跡」と報道している海外の報道機関もありますが、私はそうは思いません。乗員の日頃の地道な訓練の積み重ねがあったからこその「必然」だと思います。無事脱出できたのは、乗員の冷静な判断と対応、そして乗客の落ち着いた行動によるものです。

現在の日本航空の訓練センターが完成したのは2014年とのことですが、そこで10年間続けてきた訓練が、今回の脱出劇につながったものだと思います。繰り返し、繰り返し、実直に行ってきた訓練で身に着けたことを着実に実行した結果だと思います。

フライトでは、離陸の3分、着陸の8分は「クリティカル・イレブンミニッツ(魔の11分)」と呼ばれています。飛行機事故の大半が、この時間帯に発生していることからそう呼ばれています。

この時間帯は、客室乗務員は専用の座席に着席し、緊急事態の行動を思い浮かべながら過ごすそうです。航空機の事故はめったに起こることはなく、乗り物の中で一番安全だと言われていますが、それでも乗員は常に不測の事態に備えており、今回も緊急事態にどう対応するかを考えていたのだと思います。

乗客の方が撮影した映像や事故後のお話しによりますと、事故発生直後の状況が分からない中で、CA(キャビンアテンダント)は鉄則通り、乗客に落ち着くように指示し、煙が充満すると姿勢を低くして鼻と口を押えるよう指示したそうです。また、救難の際には笑顔を見せず、大声で叫ぶ、敬語を使ってはいけないなどのルールも適切に守られていたとのことです。

そして、機内に8か所ある非常ドアのうち、安全な3か所のドアを開けて誘導しました。非常ドアは一か八かで開けるものではなく、安全が確保できるドアを開けるのですが、これも乗務員同士が情報を共有し、脱出直前に適切な確認作業ができていたものです。

航空機での火災発生という危機的状況の中、このような冷静で無駄のない一連の行動は奇跡的にできたわけではなく、日頃の訓練の積み重ね、普段からの心持ち、そして、念には念を入れた準備があったからこそのものです。

地震や水害など、大きな災害はめったに起こるものではありませんが、ひとたび発生すると大きな被害が生じます。私たちも日頃の訓練を繰り返し着実に積み重ね、常に不測の事態が起こった時にどう行動するかを考え、いざ、災害が発生した際には、区民、家族、同僚の生命を守る行動を適切に行うことができるように準備しておきましょう。この入念な準備が非常に重要です。

現在、災害対策組織を、部局別に組織をしていますが、さらに柔軟に、そして機動的に対応ができるように、インシデント・コマンド・システム「ICS」に再編成をしているところです。これを受けて、1月19日に災害対策本部の運営会議の訓練を行いました。

また、災害時には我々が適切な行動をとることはもちろんですが、避難する区民等の皆様も落ち着いて、正しく行動することが重要です。引き続き、粘り強く、各所管の関係する区民の皆様等への啓発もあわせてお願いいたします。

まだまだ、寒い日が続きます。体調には十分注意してください。最後に、あたたかく迅速な対応をお願いいたしまして、本日の放送を終了いたします。

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