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山菜採りの季節、有毒植物にご注意!
暖かくなると、山菜を採集して春の味覚を楽しむのに適した時期になります。しかし、山野草の中には、食べられる山菜とよく似た有毒植物も数多く存在します。
有毒植物による食中毒事例
有毒植物による食中毒は、きのこによる事例が多いものの、山菜と有毒植物を間違えて食べた例も報告されています。また、死亡例も発生しています。
事例1 スイセンをニラと誤り食中毒
5月のこと、庭のスイセンをニラと誤って調理して食べたところ、9人が嘔吐(おうと)などの症状を訴え、一時入院しました。食中毒になったのは、21歳から31歳の女性で、自分たちで庭に植えていたニラを採る際、近くにあったスイセンも誤って採り、ニラの卵とじスープにして食べてしまいました。スイセンにはリコリンという毒が含まれ、食べると嘔吐(おうと)、頭痛などの症状が出ます。
事例2 バイケイソウの誤食による食中毒
5月の大型連休を利用し、都内の男性2名が北関東の山に山菜採りに出かけ、オオバギボウシ(通称 ウルイ)と判断したものを採取しました。山菜採りに行った後、上記の男性2名を含む3名で「ウルイの酢味噌和え」を食べたところ、めまい、おう吐等の症状となり入院しました。患者宅に残っていたウルイを鑑別したところ、実際は有毒のバイケイソウであることが判明しました。
山菜とよく似ているため、食中毒事例のある有毒植物
山菜など食べられる植物 | よく似た有毒植物 食べられません |
---|---|
オオバギボウシ(ウルイ)(食べられます) | バイケイソウ(有毒です) |
セリ(食べられます) | ドクゼリ(有毒です) |
ニラ(食べられます) | スイセン(有毒です) |
モミジガサ(食べられます) | ヤマトリカブト(有毒です) |
ニリンソウ(食べられます) | ヤマトリカブト(有毒です) |
フキノトウ(食べられます) | ハシリドコロ(有毒です) |
有毒植物による食中毒予防5か条
- 確実に食用と判明したもの以外は絶対に食べないようにしましょう。
- 新芽や根だけで植物を見分けるのは大変難しいことを知っておきましょう。
- 専門家から、鑑別法の指導を受けましょう。
- 有毒植物は、山菜とよく似た環境に生育します。採集のときに混入しないように注意しましょう。
- あく抜きなど調理法を守りましょう。
ジャガイモに含まれるソラニン類による食中毒にも注意
ジャガイモの芽は毒があるので食べてはいけないことは、よく知られていると思います。これは、ジャガイモの芽にソラニン類という毒が含まれているためで、大量に食べると、吐き気・おう吐・腹痛・のどの違和感などの症状が出ます。実は、このソラニン類は、「ジャガイモの芽」だけでなく「皮が緑色に変色した部分やその周りのイモ部分)」、「未成熟なジャガイモ」にも大量に含まれていることがあり、注意が必要です。
注記1「ジャガイモの芽」
市販品・自家栽培に関わらず、きちんと取り除きましょう。
注記2「皮が緑色に変色した部分やその周りのイモ部分)」
自家栽培で収穫のとき緑色になっていたものは食べるのを避けましょう。市販品・自家栽培に関わらず保管しているうちに緑に変色したものは、その部分の皮を厚めに取り除きます。
一方、「新ジャガイモ」として市販されているジャガイモの中には、表面がうっすらと黄緑色になる品種があり、こちらは問題なく食べられます。
注記3「未成熟なジャガイモ」
自家栽培で地面から浅い場所に成育し、極端に小さいものなどは未成熟なジャガイモです。
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