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元気なお店、活気ある事業所をご紹介します「ピッツェリア ダ グランツァ(洗足本店)」
企業情報
「ピッツェリア ダ グランツァ(洗足本店)」の外観
所在地
東京都目黒区洗足二丁目25番13号
サンフラッシュビル地下1階
運営会社
株式会社 GRANLBERO
代表取締役
坂本 大樹
電話番号
電話:03-6421-6969
設立
2016年
所属商店街
洗足商店街
日本一に輝いたピッツァ職人の店がウリ
東急線・洗足駅から徒歩1分の「ピッツェリア ダ グランツァ洗足本店」は日本一に輝いたピッツァ職人・坂本大樹さんがオーナーを務める本格ナポリピッツァを提供する人気店。2016年11月に創業し、翌12月にここ洗足本店を開業。2018年には近隣エリアに2号店となる洗足池店をオープンし、現在2店舗を展開しています。店名の「グランツァ」はイタリア語のグラッツェ(ありがとう)とスペランツァ(希望)を組み合わせた造語。「お客さまやスタッフへのありがとうの気持ちをベースにしながら、希望が持てるお店にしたかったんですよね」と坂本さんは振り返ります。
代表取締役 坂本大樹さん
店名ロゴは当時、3歳だった娘さんがクレヨンで描いた“GRANZA”の文字をデザイン化したもので、「依頼したデザイナーさんにも、カッコよくつくるよりも記念になっていいじゃないっていわれましたね」。クレヨンならではの文字周りが少しフニャフニャしていて味があるところもお気に入りといいます。
坂本さんは埼玉・秩父の出身。家でよく料理を嗜む父親に影響を受け、中学2年生のときには将来、料理人になることを決めていました。高校2年生から地元のイタリアンレストランでアルバイトをはじめ、高3で出場した高校生の料理大会では全国3位に。
本気でやりたいのならすぐにプロの道へ行け。
アルバイト店の師匠からのアドバイスと紹介で、高校卒業後は東京・下北沢のイタリア料理店に就職。そこで、ナポリピッツァと運命的な出逢いを果たします。「当時はピザとピッツァの違いもわかっていませんでしたからね」。
何事にもトコトンのめりこむ情熱的な性分。メキメキと頭角を現し、24歳で料理長に。その後、新店舗の立ち上げなども担当するようになりますが、2012年に出場したナポリピッツァ職人コンテストでピッツァ職人日本一に輝いたことが転機になります。
「実はそれまで一度も本場のイタリア・ナポリを訪れたことがなくて、少し後ろめたい気持ちもありましたが、大会に出る前に実際にナポリに行ってみて、やっていることは全然変わらないじゃん、とあらためてピッツァ職人としての腕に自信が持てたことも大きかったですね」
飲食店では珍しいアルバイトなし全員正社員の深いワケ
厨房での調理、接客から店舗全体の運営、さらには新店舗の立ち上げまで幅広い業務を手がけてきましたが、「自分がまだやったことがないのは、(銀行などから)お金(資金)を借りることと物件を決めること。ならば、自分でお店をやるしかない」。独立を決意します。
現在、2店舗運営でスタッフは9人ですがその全員が正社員。アルバイトは採らない主義だといいますが、その背景には2016年12月の1号店オープン時の苦い経験があるようです。
「設立時は自分も含めスタッフ3人でスタートしましたが、お店をオープンしてからすぐに僕がインフルエンザで休み、翌日に他のスタッフも感染、もうひとりは飲食店未経験。なんとか年末年始を乗りきりましたが、ものすごくキツかったことを覚えています。スタッフは多いほうが絶対にいいし、あらためて、人がいるからこそできることがあると痛感しましたね。正直、社会保険など会社の運営的にはキツいですけど、それでも全員正社員にこだわっているのは、常に僕と同じモチベーションで責任を持って仕事に向き合ってほしいから」
スタッフのピッツァ職人としての技術向上に対しても積極的に支援しています。
「この5月にもウチの店から6名でピッツァ職人の全国大会に出場しましたが、材料費はすべてお店負担にしています。ある程度、身銭を切る必要もあるので、参加料は個人もちにはしていますが、大会で勝てばボーナスとして還元しています。店でつくるのとは違って、大会では勝つピザの焼き方というのがあるんですよ。フチのふくらませ方とか、いつ出番が来てもいいようにするための生地管理とか。僕の場合は3パターンのコンディションの生地を持っていきます。これはスタッフにはあえて教えていないやり方だったのですが、先日の大会では当日、スタッフ6人とも同じことをやってくれていたのがうれしかったですね。みんな自分なりに考えてくれているな、と。全部教えるのが教育ではないと考えていますからね」
雇用条件アップのために店の営業以外の売上を増やす
そんな坂本さんが目下、注力しているのがスタッフの雇用条件を高めていくことだといいます。
「自分で独立して自分が焼いたピザを食べてほしいという美談などは正直、そこまではないですよ。それよりも、休憩時間などをいかに多くとること、スタッフができるだけ早く帰宅できることを徹底しています。例えば、仕込みでいうと生ハムスライスも調理直前にスライスするに越したことはないけれど、スタッフの手間削減のためにあえてスライスされた状態のものを仕入れるとか。労働時間を減らす努力をしていますね。自分で選んで起業したわけなので、スタッフに無理な負担はかけたくない。その分、僕自身は身を削るのは得意なので。時代も違いますが、かつて修行時代には1日17時間も働き続けていたこともありましたからね」
そんな想いから坂本さんはお店以外での売上獲得に動いています。
「どうしても飲食店はその日のお客さんの入り具合によって売上に波がありますから、僕自身はほかの仕事で売上を稼いで、お店の運営費にまわしているわけです。例えば、ゴルフ場のクラブハウス内のレストランを監修したり、電気ピッツァ窯をプロデュースしたり。そうすると、ロイヤリティも入ってくるじゃないですか。そういう意味でも“日本一のピッツァ職人”の看板は大きいんですよ。妻にはいつまでその看板を引っ張るの、とよくいわれますが、僕は一生引っ張るよ(笑)、と答えています。それは“日本一”だからこそ声がかかることがあるから。コロナで売上が落ち込んだときも大変でしたが、テイクアウトやデリバリーに加え、非接触で販売できる冷凍の通販メニューの開発やプロデュース業を増やすことで結果、仕事の幅が広がりました。いまとなってはコロナは自分自身が変わるいい契機になったと考えています」
現在、40歳の坂本さん。今年で創業8年目を迎えますが、ここまでやってきてあらためて感じたのが経験することの大切さだといいます。
「やはり百聞は一見に如かず、ですよね。現場でいろいろ経験して培ってきたからこそ生まれるものがあると思います。心理的には常に追い込まれている状態なので完全な休みというのがないですが、走れるところまで走りたいですね」
最近の趣味はスーパー銭湯通いという、やると決めたらトコトン、即行動の情熱人の今後の展開に注目です。
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