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元気なお店、活気ある事業所をご紹介します「学習塾 町子屋」
企業情報
「町子屋」の外観
所在地
東京都目黒区下目黒三丁目12番11号
代表
武藤友美
電話番号
電話:03-3714-5955
創業
2014年
所属商店街
目黒不動商店街振興組合
子どもがディスカッションを学ぶ場を創りたい
目黒不動尊からほど近い商店街のなかにある町子屋は「ディスカッション」がウリのユニークな学習塾です。塾長を務める武藤玉樹さんは2013年に西小山で個別指導塾をスタート。翌2014年に拠点をここ下目黒に移し、来年2024年に10周年を迎えます。現在は奥さまの友美さんとご夫婦で経営しています。
武藤さんご夫婦
生徒の対象は小学校1年生から高校3年生まで。基本的に週2コマの個別指導と週1コマのディスカッションの時間があります。
「この塾は勉強のほかに異学年の仲間とディスカッションを行うのが特長です。ディスカッションの面白さは他の人の意見を聞いて考え方が変わるなど、自分の意見を深められるところにあります。私自身は小中学生の頃にそのような経験があまりありませんでした。大学ではゼミなどでディスカッションの時間がありますが、小学生の頃からディスカッションを学ぶ場があると、もっと生活が充実したものになるんじゃないかと思ったんです。今もここで学んだことを学級会、部活のミーティング、家族会議など日々の生活のなかで実践していくことで、子どもたちの生活がより充実していくことを願っています」と武藤さん。
そもそものきっかけは大学時代の授業にあったといいます。
「大学時代に哲学対話という授業をとり、ディスカッションをしながらテーマを深掘りしていくことで、自分なりの視点が見えてくるということを経験したのが大きいですね。町子屋を10年近く続けてきて、いま感じているのは、毎年生徒の顔ぶれは変わるのですが、秘伝の継ぎ足しタレのように議論する文化ができてきたこと。また、子どもたちの物事に対する考え方がより深まり、ほかの人の意見を受け入れつつ、自分の意見を発信できるようになってきているという実感があります。
例えば、内気だった子が学校で積極的に発言をするようになったり、他には中学校で生徒会長に立候補したり、というケースもありましたが、そういう姿を見ると素直にうれしいです。
子どもは与えられたルールのなかで生きることに❛どうしてこうしなきゃいけないの?❜という疑問や不満を感じています。ですが、成長するにつれて❛それはそういうものだから❜とあまり考えなくなっていきます。素朴な疑問や不満をディスカッションの中で健全な形で消化する経験重ねることで❛ルールは自分たちでより良いものに変えていける❜という実感を持ってほしいです。それが自分の人生を主体的に生きるカギになっていくと思うのです」
現在、講師は武藤夫妻をメインにアルバイト講師が約20名ほど。授業の内容に加えて、机のカタチもユニークです。1階にはその中央に六角形の机が置かれていますが、これはディスカッション用のレイアウト。台形の机をふたつ組み合わせたものですが、通常の個別学習時はV字型にレイアウトします。そのV字の内側に講師が、外側に生徒2人が座るのが基本パターン。ひとりの講師が同時にふたりの生徒をみるシステムです。
「個別指導というとブースで仕切る方法もあると思いますが、個人的にはあまり好きではなくて。自然とほかの子どもの空気感がわかることが大事かなと考えています。オフィスでも隣席の先輩の仕事ぶりを見て成長することがあると思いますが、それは子どもも同じ。個別時はひと部屋に講師を含めて最大3人です。部屋を複数に分けているので、ひとりの占有面積はわりと広めですね」
段取りによって人前で発言するハードルを下げる
週ひとコマのディスカッション時は最大7名×4グループで行いますが、常に心がけているのが段取りを整えることだと言います。
「議論する際に全体の道筋を組み立てると全員が話しやすくなります。アイディアを出すタイミングなのか、アイディアを絞るタイミングなのか、質問するときなのかなど、何をするべきときなのか明確だと、発言するハードルが下がります。なので、生徒たちで上手な段取りを考えるところから議論はスタートします。段取りがなく発言力のある子がグイグイ進めるケースもよくありますが、それでは意味がありません。子どもたちが自然と話しやすいカタチを作れる授業設計を心がけています」
個別指導にディスカッションをプラスすることで、生徒一人ひとりのことを深く知ることができると言いますが、そんな面倒見の良さが子どもを通わせている親御さんにも好評です。
「僕は蒲田の出身でご縁があってここ下目黒に来ました。以前は目黒というと少し高級なイメージでしたが、実際に関わってみるとあたたかい街ですね。下町的な空気もあり、お祭りもみなさん全力投球。若い人たちもこの地域を盛りあげていこうという想いがあります。今も近所の子ども達が多く通ってくれていますが、特に始めたての頃は町会や商店街の繋がりで通って頂いた方が多かったです。地域のみなさんの支えがあってからこそ今まで続けられたところは大きいですね。今後も地域全体で子どもを育てていく環境づくりに貢献できたらうれしいです」
現在ではかつて通っていた生徒が成長し、講師としてここ、町子屋に戻ってきてくれることもあるそうです。
「一言でいえば、ディスカッションは人生の舵取りの練習。生きていく中でいくつかの人生の岐路に出逢うと思いますが、その際に自分の気持ち、想いはもちろん、ほかの人の意見も聞きつつ、うまく落としどころを見つけて自分の進路を決定していく。生徒にはそうやって自分の道を歩んでいってくれたらうれしいですね」
子どもの主体性を育む場がここにあります。
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