更新日:2021年2月16日

ページID:4213

ここから本文です。

元気なお店、活気ある事業所を紹介します。「株式会社佐藤製作所」

概要


株式会社佐藤製作所の外観

所在地

目黒区鷹番三丁目20番7号

代表

代表取締役社長 佐藤 隆之

電話番号

電話:03-3712-6652

会社設立

1956年

ロウ付けに特化し、若手女性スタッフも積極的に採用


事業所の様子

東急線・学芸大学駅から西口商店街通りを歩くこと5分の佐藤製作所は高精度な銀ロウ付け、半田付けを強みとする金属加工業者。1956年にこの地に創業、金属加工からスタートし、現在では取り扱う業者が希少になった銀ロウ付け、半田付けに特化した業務を展開しています。
「もともと、無線の分野でNTTなど通信関連のパーツ製作を手がけていましたが、それらのパーツを作るためにロウ付けが必要だったという背景があります。現在ではロウ付けの技術を強みに、オーディオ関連部品や医療機器、PCなどに組み込まれるヒートシンクのロウ付けによる製造が業務の中心。インテリア用品など個人の持ち込み修理にも対応しています。ロウ付けではないと接着できないものが意外にたくさんあるのです」とは同社の3代目にあたる常務の佐藤修哉さんです。

佐藤さんはシステムエンジニアを経て2014年に家業である同社に入社。昔ながらの町工場を次々と変革しています。金属加工からロウ付けに特化することになったのも佐藤さんのアイデア。「ロウ付けでいろいろなアプローチをしていますし、実はオリジナル商品も開発中なのです」といいます。以前は大ベテランのスタッフばかりで平均年齢もかなり高かったという同社ですが、佐藤さんの入社以降は若手を積極的に採用。とくに女性の採用にも力を入れているそうです。
「これまでは男性のみの職場でしたが、女性の方が活躍できる業務はあると思いましたし、女性を採用することで業務の幅が広がるだろうと考えたのです。今では納期管理やコミュニケーションツールの製作などで女性スタッフが大活躍してくれています。昨年9月からあえて紙の広報誌を作っていますが、それも女性スタッフによるもの。また、メインの製作業務でも女性は手先が器用なので、当社で取り扱う小さくて精密なモノづくりには適しているか、美大芸大出身者なども当社にフィットするのではないかと考えています」


ロウ付け作業

いい意味でゆるさのある人から好かれる会社でありたい

現在15名のスタッフのうち、佐藤さんも含めて若手が7名。ベテランと若手を繋ぐ心地よい温かな社内環境づくりも精力的に行っているそうですが、「当初はベテランと若手のギャップに悩んだ時期もありましたが、今では週1回ミーティングを行い、ベテランと若手が一体になって、人を育てる会社にしてきたいということを日頃からいい続けていますね。ベテランはモノづくりから人づくりにシフトしてほしい。あとは業界の動きなど、社外の情報を伝えるようにしています。町工場は少し社外の情報収集に疎いんです」
そんな佐藤さんが目指すのは“人から好かれる会社”。
「お客さまに好かれるのはもちろんですが、スタッフとその家族にも。いくら技術クオリティが高くても人から必要とされなければ意味がありません。極論ですが、技術はとても大事なものですが、あくまで手段。必要がなければなくてもいいわけです。ニーズがないのにこだわっていても会社は潰れてしまいます」

製作会社らしからぬ意外な言葉を聞きましたが、そう考えるようになったのにはこんな背景があったようです。
「実は2014年に僕が入社した時に業績が最悪で、会社の全部を変えなきゃダメという状態だったのです。そのために改革を急ピッチで進めたのですが、当時は僕が28歳でダントツの最年少だったこともあり、ベテランスタッフと対立することも度々で…。会社を良くするために一生懸命やっているのになんで文句を言われなきゃならないのだろうかと胸が痛みました。その時、仕事って何のためにやるのだろう?と根本的なことを考える日々を過ごしました。味方も誰もいない、そんな状態でやる意味があるのだろうかと。仕事って人に煙たがられてやるものではないと思ったんです」
同業で風通しのよい会社運営を行っている先輩社長にも度々相談にのってもらったそうですが、「スタッフとこまめなコミュニケーションをとり、どんなに小さい仕事でもお客さんが喜んでもらえるように仕事を積み重ねて行った結果、業績もよくなりました。今、思い返すと、入社した時に会社が最悪な状況だったのが良かったのかもしれません。今後はご近所の方にも個人の修理持ち込みで気軽に利用していただきたいと思いますし、フランクというかいい意味でゆるさのある会社であり続けたいですね」
イマドキの時代に合わせて、業務内容も社内環境もうまく変革できた町工場の好例といえそうです。

作業工程写真
検査の様子


製品

お問い合わせ

産業経済・消費生活課 中小企業振興係

ファクス:03-3711-1132

同じ分類から探す

一緒に読まれているページ