更新日:2017年2月16日

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区内の元気なお店、活気ある事業所をご紹介します 第10回「株式会社山内機器製作所」

会社情報

所在地

目黒区目黒本町六丁目20番2号

代表取締役

山内 鉄生氏

電話番号

03-3712-0626

設立

1949年(昭和24年)

資本金

1,000万

社員

約10名


山内社長

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日本の工業を支える縁の下の力持ち

目黒本町に本社兼工場を構える株式会社山内機器製作所。2代目社長の山内鉄生さん以下約10名のスタッフが、主に旋削・研削加工、精密機械部品、ダイヤモンド工具、ロックシリンダー等の製造を手掛けています。このうち主力商品は、ダイヤモンド工具。地球上でもっとも固い物質として知られるダイヤモンドを使用した様々な工具を製造、取引先の大手企業に納品しています。一般にはなじみの薄いダイヤモンド工具ですが、例えばトンネル掘削工事やスマートフォンの表面の研磨など様々な分野で活用されています。
「私たちの手掛ける商品は一般の消費者の皆さんの目に直接触れることは少ないのですが、顧客である大手企業の製品の一部となって活用されることによって、微力ではありますが、皆様の生活をより便利なものにするお手伝いをさせていただいています」と山内さん。大学卒業後、23歳で入社して以来、先代から引き継いだ技術を磨くこと、顧客に満足してもらえる商品を作ることを大切に、事業を続けてきました。


株式会社山内機器製作所の外観

原点は町工場の「助け合いの精神」


工場内の様子

山内機器製作所の創業は戦後間もない1949年(昭和24年)。戦後、シベリア抑留を経て帰国した山内さんの父が目黒区内で起業、当初は釣り具の製造販売を行っていたそうです。その後、訳あって釣り具の仕事をやめ、次に顕微鏡の部品製造に乗り出しました。
「父はとても器用な人でした。とはいえ、戦争から帰ったばかりの若者ですから、大した技術があるわけではありません。自分の技術だけではどうにもならない仕事を引き受けたときには、近所の町工場を訪ねて技術を教えてもらったそうです。当時、この辺りには小さな町工場がたくさんあって、みんなで協力しながら仕事をしていたんです。中には未熟な父を見かねて、工場まで様子を見に来て、手伝ってくれた同業者もいたそうです。父が会社を軌道に乗せることができたのは、周囲の皆様のおかげといっても過言ではないと思います」と山内社長。創業後まもなく、国内最大手のダイヤモンド工具メーカーから仕事がもらえるようになったきっかけも、知人の紹介だったそうです。
「人とのご縁が仕事に繋がり、顧客に満足してもらえる仕事をすれば、それがまた次の仕事に繋がる…ということの繰り返しで、この60数年間、無事に商売を続けることができたのだと思います。

まもなく創業70周年。課題は事業継承


製品のシャフト

とはいえ、事業は常に順風満帆だったわけではありません。昭和50年代半ばに主要取引先の工場が関西に移転したために仕事が激減、経営が危機的状況に陥ったことがありました。
「一社に依存する経営体質から脱却するためには新規取引先を開拓する必要がありました。しかし、大学卒業後すぐに父の下で働いてきた私は、新規営業の経験がゼロ。どうしていいかわからず、正直途方にくれました」という山内さん。「しかし、この時も人に縁に助けてもらいました。家内の兄の紹介で埼玉県の某企業から仕事をもらえるようになり、なんとか会社を持ちこたえることができました。さらに、それがきっかけで光ファイバーやシリンダーの分野に進出することができたのです」。
こうして少しずつ得意先を広げていった山内機器製作所。今年2017年で創業68年目を迎えます。70周年を目前に控えた今、経営者としての山内さんの課題は「後継者の育成」です。「幸い、近縁の若者がこの仕事に興味を持ってくれ、少し前から一緒に働いてくれています。こういった若い世代に、古くから働いてくれているベテラン職人の“技”を伝承し、後継者として育てていきたい。そして次の世代まで会社を存続してほしい」と願う山内さん。
「小さな会社ですが、ここまで続けてこられたのは、『間口を広げ過ぎて、後ろが抜けてしまわないよう、身の丈にあった生き方をしろ』という父の教えを守ってきたからだと思います。これからも己をわきまえて実直に働き、日本の工業の発展に少しでも貢献をしていきたいと思っています」。

お問い合わせ

産業経済・消費生活課 中小企業振興係

ファクス: 03-3711-1132

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