更新日:2022年12月16日

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元気なお店、活気ある事業所を紹介します「有限会社 御門屋」

概要


左 豊里代表・四ケ所さん 右 御門屋代表取締役・針谷さん

所在地

目黒区目黒本町四丁目24番12号

代表

代表取締役 針谷宏治

電話番号

電話:03-3719-0537

会社設立

1952年

味の決め手になる工程はいまも熟練職人による手づくり


看板商品「揚げまんじゅう」

1952年、目黒地蔵通り(現・油面地蔵通り)におかき、あられなどの専門店として開業した御門屋は創業以来、70年の伝統と良質な味を守り続けている揚菓子専門店です。もともと、卸売中心のメーカーとして製造と技術にこだわり続けてきましたが、良質な味を追求していくなかで、出来たての美味しさを直接お客さんのもとに届けたいという想いから1985年には販売会社の豊里も設立。1997年に恵比寿店を開設したのを機に東京エリアで14の直営店を展開し、東京みやげの揚菓子として全国に知られる存在でもあります。

「御門屋の創業者は私の祖父ですが、そもそも米菓子の製造をはじめたのは、食べ物に困りたくないという当時の時代背景もあったかと思います」とは御門屋の3代目代表を務める針谷宏治さん。創業以来おかき、あられなど米菓子のつくり方に関しては基本的なところはほとんど変えていないそうですが、「醤油のタレも同じですし、少し前までは炭火で焼き上げていました。現在では炭の供給が減少したため、ガスに代替していますが、それでも炭火焼のような味わいを追求しています。効率化のため、もちろん機械化も採り入れていますが、味の決め手となる重要な工程では今も熟練職人による手仕事がいまだに多いのも御門屋のモノづくりの特長ですね」。

創業以来、米菓子中心だった御門屋のターニングポイントは1995年に発売した「揚まんじゅう」。以来、25年以上にわたる同社の看板商品へと成長していきます。時代はちょうどバブル崩壊の頃。自分たちで販売するにしても米菓子だけではキビしい。そこで、油で揚げたおかきが得意だったことから、その技術を活かした「揚まんじゅう」の開発に着手しました。

「きっかけは当時、懇意にしていたお取引先から「まんじゅうを揚げてみたら?」と言われたこと。当社としてはまんじゅうの製造は初めてでイチからのスタートでしたが、こし餡入りのまんじゅうに衣をつけずそのまま油で素揚げすると、さっぱりとしっとりした食感のなかで、揚げモノと餡の両方の味が楽しめる逸品に仕上げることができました。おかきもそうですが、揚まんじゅうの場合も皮を熟練職人が温度や湿度など微妙な変化を感じながら丁寧に手ごねしています。やはり、大事なのは手づくりの部分なんですよね」(針谷さん)。

時代の変化に対応し、アナログとデジタルをうまく融合

この日、取材で訪れたのは2002年に開業した目黒通り沿いにある御門屋本店。売店のほか、その場で喫茶できるくつろぎ茶寮も併設されていますが、その2階は東京本社工場として機能し、ここで日々「揚まんじゅう」が製造されています。鮮度を大切にし、毎朝揚げたてのおまんじゅうを、東京エリアで展開している直営店に納品し販売することで、品質管理にも徹底的にこだわっています。

そんな御門屋が創業以来、変えていないポリシーが、いい材料を使って美味しいモノをつくるということ。

「米菓子には宮城県産のもち米「みやこがねもち」を契約農家から購入しています。もち米本来の旨味甘みが強い最高級もち米ですが、かめばかむほど甘みと粘り気が出てきます。味にこだわるならつくり方はもちろんですが、材料にこだわることも重要ですよね。「揚まんじゅう」の餡も北海道産の「しゅまり」を使っていますが、生産がむずかしい希少な品種で、「しゅまり」ならではの風味豊かでクリーミーな上質なこし餡が好評です」(針谷さん)。

一方で、“変えた”ことは時代の変化への対応。前述のおかきづくりにおける炭火焼きからガスへの変更もしかりですが、「一番はアナログと機械をうまく融合させていることですね。味にこだわるうえで職人の勘は大切ですが、一方で工場の機械化による労働環境の改善なども進めていかなくてはなりません。まんじゅうの皮を手でこねるのも結構大変な作業なので、複数の人間で担当するとか、一部の工程で機械を使用することによって、個人の負担を減らすように心がけています。そのうえで今後も良質な味を守り続けていきたいですね」(針谷さん)。

事業所
熟練職人の手仕事

そのほか、NPO法人フードコミュニティ目黒にその立ち上げのときから関わるなど地域貢献にも積極的ですが、「御門屋の先代がボランティア意識の高い方で、当時からもち米などを寄付していましたね」と振り返るのは御門屋の販売部門を担当する豊里・代表の四ヶ所武さん。

「現在もフードコミュニティ目黒から紐つき手提げ袋を購入させていただいていますが、その理由は単純に品質が優れているから。手づくりの部分を色濃く残している御門屋のモノづくり哲学とも合致しますね。目指すは三方良しですが、目黒という地域のなかで一つのコミュニティの一部として御門屋が存在し続けられたらと考えています」(四ヶ所さん)。

老舗揚菓子店が紡ぐ日本の伝統技術とおもてなしの精神がここにはあふれているようです。


店の外観


商品のラインナップ

お問い合わせ

産業経済・消費生活課 中小企業振興係

ファクス:03-3711-1132

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