更新日:2023年10月16日

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元気なお店、活気ある事業所を紹介します「大正鉄筋コンクリート株式会社」

概要

「大正鉄筋コンクリート」の外観
事業所の外観

所在地

東京都目黒区目黒本町二丁目7番14号

代表

代表取締役社長 阿部 豊

電話番号

電話:03-3714-0741

会社創業

1923年

ニッポンの近代化を支え続けてきた老舗の煙突屋

大正代表者

代表取締役社長 阿部 豊さん

東急線・学芸大学駅から歩くこと10分ほど、目黒通り沿いから道一本奥に入ったところにある大正鉄筋コンクリートは老舗の“煙突屋さん”です。鉄筋コンクリートの煙突を造る専門会社として大正12年に設立。今年2023年に創業100周年を迎えました。

「祖父が名古屋で会社を立ち上げ、単身で東京移転の段取りをしていた時、1923年9月1日の関東大震災に遭遇しましたが、被災する事も無く東京白金台町(現在の港区白金)に事務所を移転したそうです。その後昭和に入ってからは旧丸ビルに本社を構えていた時代もありました。現在のここ、目黒本町にある本社はかつての工事部門や社宅、資材倉庫があったところなんですよね」と沿革を振り返ってくれたのは現在、同社の代表取締役社長を務める阿部豊さんです。

鉄筋コンクリートの工事は明治時代から行われており、日本の近代化とともに続々と各種工場の建設が着工。工場から公害を発生させないために高い煙突を立てて、上から大気に希釈するという方法が採られていました。

「創業時の大正時代は日本のいたるところに工場を造るために煙突が必要でした。当時から札幌、名古屋、大阪、九州に営業所を設けて、とにかく景気が良い時代だったようです。むかしは生コンのコンクリートポンプ圧送の技術などはありませんから、人が背中に生コンを背負って運んでいたと聞いています。最近ではCO2削減の流れもあって煙突の新設が減っています。それに代わり今では当社で過去に建てた煙突の改造や補修・点検などの業務が増えています。」

阿部さんが同社に入ったのは子どものころから家業である大正鉄筋コンクリートが常に身近な存在だったから。

「当時父が大阪営業所で勤務していたこともあり、生まれは兵庫ですが、3歳のときにここ、目黒にきました。むかしは社宅があって、大正鉄筋コンクリートでやっている仕事が身近だったんですよね。素直な性格なほうなので、刷り込みもあったかもしれません。ただ、ひとついえるのは、高い煙突ってとにかく目立つ存在じゃないですか。なので、アレをつくったんだぞという目に見えるやりがいがあるんですよね」

独自のスリップフォーム工法で目黒清掃工場の煙突を施工

 

煙突には大きく分けて2つあるそうですが、ひとつは航空障害灯の設置の必要のない59メートル以下のもの、もう一つが100メートル超えの高い煙突です。

「火力発電所では199メートルの高さの煙突もありますし、都内の清掃工場の煙突も軒並み100メートル超えです」

実は今年3月15日に竣工し、翌16日から稼働している目黒清掃工場の煙突も大正鉄筋コンクリートがその施工の一部を手掛けました。

大正煙突

施工の一部を手掛けた目黒清掃工場の煙突

「基礎の部分は他の会社でもできますが、高所の部分となるとわれわれ専門業者の技術が必要となるわけです。目黒清掃工場の煙突は約150メートルの高さがありますが、すぐ下には道路、目黒川、遊歩道があり人もたくさん通るので、飛来落下物がないように慎重に作業を進めていきました」

その際、煙突外筒工事で採用されたのが、同社の真骨頂でもあるスリップフォーム工法です。コンクリート型枠や作業足場を装着したヨークに油圧ジャッキ(スリップフォーム装置)を仕込み上昇していくことにより、連続的に煙突の外筒を施工する工法で、安全性を確保しつつ、工期を大幅に短縮できるのが最大の特長。コンクリート打設が連続して行えるため、打ち継ぎが少なく、品質面でもメリットがあるといいます。

現在、細長くて高いモノが造れる独自性の高い技術を活かして、北海道・函館市にある五稜郭タワーの建設などにも参画するなど、徐々に煙突以外の事業にも幅を広げています。

「最近では煙突が減っているとはいえ、必要なものであることに変わりはありません。なので、新設はもちろん、既設の煙突のメンテナンスもしっかりやっていきたいですし、当社の技術でお手伝いできるものがあれば、なんでもチャレンジしていきたいと考えています」

抱えているスタッフの約半数が職人という技術屋集団。100年の歴史をもつ煙突造りで培われた専門技術はきっと、他の分野でも活用されていくことでしょう。

 

お問い合わせ

産業経済・消費生活課 中小企業振興係

ファクス:03-3711-1132

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