更新日:2024年4月5日

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腸管出血性大腸菌

腸管出血性大腸菌とは

大腸菌は、健康な人の腸内にも存在している細菌です。しかし、大腸菌には人への病原性があるものがあり、そのひとつに腸管出血性大腸菌があります。
腸管出血性大腸菌には広く知られているO157の他、O26、O111、O121などがあります。

1996年に全国でこの菌による集団食中毒が続発したことで、広く知られるようになりました。

この菌は数十個から数百個程度の少ない菌数で発病するといわれており、ベロ毒素(VT)という毒素を作り、人に対し下痢などの症状を引き起こします。

毒素にはVT1とVT2の2種類があり、この菌はVT1のみ産生、VT2のみ産生、そして両方を産生するものの3種のタイプ分けられます。

腸管出血性大腸菌の顕微鏡写真

出典:「食品安全委員会」(内閣府)(https://www.fsc.go.jp/)

腸管出血性大腸菌による食中毒

主な症状

多くの場合、激しい腹痛、血性下痢の症状がみられます。このほか、吐き気や嘔吐などの症状もみられることがあります。

まれに、溶血性尿毒症症候群(HUS、Hemolytic uremic syndrome)などの重篤な合併症を引き起こします。

溶血性尿毒症症候群(HUS)について

乳幼児や小児、基礎疾患をもつ高齢者などが腸管出血性大腸菌に感染すると、まれに、溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症することがあります。これは、溶血性貧血、血小板減少、急性腎機能障害を特徴とする病態で、重症の場合は死に至ることもあります。

潜伏期間

1日から14日(多くは3日から5日)です。菌に感染しても症状がでないことがあります。

原因食品

腸管出血性大腸菌は、牛などの動物の腸管に存在しているとの報告があります。そのため、生や加熱不十分な食肉(ユッケ、牛刺しなど)が原因となります。

また、食肉などを処理したまな板や包丁などの調理器具や調理従事者の手指を介した二次汚染も原因となっています。

動物と接触することにより感染した事例も報告されています。

予防のポイント

十分な加熱

食肉などの生食は避け、調理する時は中心部まで十分加熱(75度、1分間以上)してから食べましょう。目安として、中心部の色が変わるまで十分に加熱してください。

さまざまな処理をされた食肉

食肉は、食べやすくするため、テンダライズ・タンブリング・結着などの処理がされていることがあります。こうした処理をされた食肉は、内部が微生物に汚染されている可能性があり、十分な加熱を行ってから食べる必要があります。これらの食肉を販売するときには、「処理をした旨」と「中心部まで十分に加熱が必要な旨」が表示されていますので、表示を良く確かめて十分な加熱の後に食べましょう。

テンダライズ処理

肉の筋や繊維を短く切断する処理

タンブリング処理

調味液を肉に漬け込み染み込ませる処理

結着処理(結着肉)

ほかの肉の断片を結着して成型する処理

二次汚染の防止

食肉は他の食品と調理器具や容器を分けて処理や保存をしましょう。

食肉を取り扱った後は十分に手を洗ってから次の作業に移りましょう。また、盛り付け時には使い捨て手袋等を使用しましょう。

食肉に触れた調理器具等は使用後に洗浄・消毒しましょう。

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お問い合わせ

生活衛生課 食品衛生係

ファクス:03-5722-9508